定理 Theorem


|| 公理と定義で作られたもの

「証明された真な命題」のことを、定理と言います。

 

 

 

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公理もしくは定義 → 妥当な推論規則

→ 証明可能 → 定理 → 真

これが定理の基本的な枠組みです。

 

 

公理や定義より、法則に近い概念と言えます。

 

 

というのも、

法則と定理は、成立するための

「条件がセット」という点が同じで、

 

 

ある「条件が整っている」時、

『結論が正しい』って感じになるんです。

 

 

 

まあ、定理は法則と違って、

「必ず真」になるんですが、

 

 

ともかく、一見すると、

定理と法則は似たようなものに見えると思います。

 

 

 

 

 

定理と法則の違い

 

定理は、

定義や公理と言った「真となる命題」から、

「真となる命題を推論する規則」を経て得られます。

 

 

法則は、

「ある条件が定まった後」に、

「必ず成立するようになる」という現象です。

 

 

 

一見すると似たようなものなんですけど、

成立過程がまるで異なるので、

この二つは明確に異なります。

 

 

 

ただ、そう言われるだけじゃ分からないかもしれないので

もう少し詳しく説明すると、

 

 

 

まず法則なんですけど、

これは「こういった性質である」という感じに書かれます。

 

 

まあつまり「ある条件が定まる」と、

『理由はよく分からないけどそうなる』感じで、

 

 

なぜ法則が成立するのか

というのはよく分かりません。

 

 

ただ実際にそうなるから、

確認してみるとそうとしか言えないから、だから正しい。

 

 

法則はそういう

「公理に近い」感覚のものなんです。

 

 

 

これに対して、

「定理」は『定義』と『公理』で説明できます。

 

 

「定理」が正しい理由は、

『公理』と『定義』と『LKの推論規則』で、

必ず証明できてしまうんです。

 

 

そう、「定理」は『正しい理由』を持ってるんですよ。

その点で、法則とは明確に異なってるんです。






具体例


数学における非常に重要なものだと、

一階述語論理に関する「完全性定理」「健全性定理」

そして「不完全性定理」なんかがあります。



他にも各分科には「基本定理」

という前提のような定理があって、

これらは「論理の基盤」を提供しています。

 

 

 

とまあそんな具合に、

定理はその分野の土台みたいな感じなんですが、

まあぶっちゃけ、あまり意識しないと思います。

 

 

だいたいの人は「条件」と「結論」だけ知っていて、

その証明は知らない、という場合が多いです。

 

 

プログラムで言うところのモジュールみたいな

なんかそういうのをイメージすると、

定理のイメージは掴めると思います。

 

 

 

 

 

使われ方


基本的には、論述を省略する為に使われます。

 

 

言ってしまえば専門用語みたいなもので、

「前提」と「結論」だけ分かれば十分、みたいな。

 

 

イメージとしては、

「公理」「定義」という小さなブロックから作られた

一つのオブジェのようなものだと思って特に問題はないです。

 

 

例えるなら、

公理や定義を原材料、例えば「鉄」とするなら、

定理は、それで作られた「ネジ」みたいな感じです。

 

 

 

ただ、注意点として、

「順番」は『用途』が先です。

 

 

まず『正しそう(定理になるかもしれない仮説)』

というのが先にあって、

 

 

それを「公理」「定義」「妥当な推論規則」

この3つで組み上げたものが、定理になります。

 

 

 

もうちょい噛み砕いて言うなら、

なんかこれ正しくね?

というところから始まって、

 

 

それを確かめてみたら正しかった。

そんな流れで、仮説が定理になる感じです。






定理の基本的な形式


前提「なにが成り立って」「なにがあるとき」(複数の条件)

結論「なにが成立する」(一つの性質)

 

 

 

定理のおおまかな書き方はこんな感じです。

論理的っていうと、基本的にこの形式をとっています。