|| 公理に近い感覚のもの
一定の条件が与えられとき、必ず成り立つもののこと。
公理やら定義と違って、真偽は条件によって定まります。
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これは単なる「現象」のことですね。
「ルール(定義)」とも「原理(公理)」とも違います。
比較すれば明らかです。
正しくなる順番に明確な違いが存在します。
・公理 → 真
・定義 → \mathrm{well}–\mathrm{defined} → 真
・法則 → 条件,前提 → 真か偽か不明か
見ての通り「真偽が定まるまでの手順」が別です。
具体例
科学の成果はほとんどが法則ですね。
公理は数学的成果としてまとめられています。
確認しておくと、科学の成果は、
『この宇宙では』とか『このスケールでは』とか
まあなんか、そういう感じの前提がついてて、
その上で正しいとされているんですよ。
まあつまり、
「一定の条件」あるいは「前提」が定まって、
初めて正しくなるわけで、必ず正しくなるわけじゃないんです。
これは「定義」と「公理」には無い性質で、
「法則」に限られる話になります。
具体的には、
例えば「理想気体」なんかを条件とする状態方程式とかは
まさにそんな感じですよね。
理想気体という条件(前提)のもとで、
状態方程式は正しさ(真である)を得ているわけですから、
前提に左右されず正しい、とはなりません。
実際、理想気体の状態方程式の英訳は「ideal gas Law」です。
Theorem (定理) でも defined (定義) でも axiom (公理) でもなく、
Law (法則) なんですよ。
使われ方
多岐に渡るので、探せばすぐに出てきます。
いずれも条件がしっかりと定まった場合にのみ、
法則は「現象」として観測することが可能になります。
条件によらず成立する場合は、
そいつは法則じゃなくて公理として扱われますね。
まあぶっちゃけ、あんまり区別する意味は無いです。
公理なんかと同一視しても特に損することはありません。
公理、定義との違い
最初のとこで書いていたことを
もう一度確認しておきましょうか。
そのために、正しさが決まる順番を整理してみます。
法則は「真偽が条件に依存する」
公理や定義は「条件に関係なく絶対に真」
公理に関しては「公理であるなら真」となるので、
変な話、それが「真ではない」という状態になるなら、
それはそもそも公理ではないということになります。
これに対して、
定義や法則は「真ではない」ことがあり得ます。
ただ、基本的に「定義は絶対に真」です。
偽になる場合は、だいたい何かが追加されていて、
そのせいで矛盾が生じています。
だからこそ、決まりとして真とされてはいるわけですが、
公理のように「無条件で真」とはなりません。
定義はあくまで『問題が無ければ真』です。
「法則」もまたこれは同様で、
例えば「量子レベルのミクロなスケール」なら、
「マクロな古典力学の法則」は真とは言えなくなります。
そう、基本的に「法則」の正しさは、
『法則それ自体』には由来しないんですよ。
「前提」「モデル」「状況」「環境」があって、
そこで『確実に発生する現象』として、
「法則」は定義されます。
数学では
有名なものだと、
統計学の基礎となる「大数の法則」なんかが有名でしょうか。
と言っても、
法則を見かけるのは主に代数学なんですが、
ともかく、ちらっと紹介しておくと、
数学の中でも、特に代数学で扱う「法則」には、
「結合法則」「分配法則」なんてものがあったりします。
これらは「一定の条件(集合+演算)」があって、
なぜかそこで必ず成立するので
その流れで「法則」と呼ばれてる感じで、
「代数学」では、
主にこういったものを扱うことで、
『構造の特徴』を調べたりするんですが、
まあそれはさておき、
そういう「必ず現れる特徴」を、
「法則」って言ったりするんですよ。
とまあそんな感じで、
数学でも法則って言葉は出てきます。
ちなみに最後、ちょっと紹介しておくと、
実は「法則」は「律」と書かれることがあって、
例えば「結合法則」なら、
「結合律」って呼ぶことがあります。
「律」は『決まり』を意味する言葉なので、
「法則」に非常に近い単語なんですけど、
どっちを採用するかの基準はよく分かんないんで、
混乱を避けるために紹介しておきました。
なんとなく覚えておきましょう。