物理量演算子 Operator

 

|| 位置演算子とかの具体的な中身の話

演算子を行列にする方法の話をします。

どうやってるのかちゃんと解説。

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目次

 

量子の話 <<最初の

ヒルベルト空間 <<行列とかの話

エルミート演算子 <<前の記事

 

 

行列表示で使うもの「規格化直交系とか個数演算子とか」

 

   展開係数「正規直交系だと確率っぽいやつ」

   要素の求め方「フーリエ級数の係数の求め方と一緒」

   生成消滅演算子「個数演算子から得られた基準」

 

   交換関係「内積部分を比較するやつ」

   生成消滅演算子の要素「交換関係でごちゃ」

   物理量演算子の要素「個数演算子でごちゃ」

 

 

 

 

         


行列表示で使われるもの

 

|| いろんなものを行列表示したい

これは『演算を行列にする操作』の話です。

 

\hat{A}|\psi\rangle=|\psi_{A}\rangle

 

具体的には、↑から A を求めます。

 

   

んで、肝心の求め方なんですけど、

主に2つのものを使って、これを求めます。

 

 

その1つは「個数演算子」っていう行列で、

これはめちゃくちゃ単純に、ほぼ計算することなく、

『意味のある』固有値と固有ベクトルを導けます。

 

\displaystyle \hat{N}=\begin{pmatrix} 0&0&0&0&\cdots \\ 0&1&0&0&\cdots \\ 0&0&2&0&\cdots \\ 0&0&0&3&\cdots \\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots& \end{pmatrix}

 

見ての通り、すでに三角化されている状態です。

なので固有値は明白。

固有ベクトルも↓みたいになるのは分かるかと。

 

\begin{array}{rlll} \hat{N}|n\rangle&=&n|n\rangle \\ \\ \\ &&0|0\rangle&=0\begin{pmatrix} 1\\0\\0\\0\\ \vdots \end{pmatrix} \\ \\ &&1|1\rangle&=1\begin{pmatrix} 0\\1\\0\\0\\ \vdots \end{pmatrix} \\ \\ &&2|2\rangle&=2\begin{pmatrix} 0\\0\\1\\0\\ \vdots \end{pmatrix} \\ \\ &&3|3\rangle&=3\begin{pmatrix} 0\\0\\0\\1\\ \vdots \end{pmatrix} \\ \\ &&\vdots \end{array}

 

特に、こいつの「固有ベクトル」は重要で、

具体例を考えるときによく使われますね。

まあ↑でよく使ってたんで、これは分かるかと。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{A}|n\rangle&=λ_n|n\rangle \\ \\ \hat{A}&=\begin{pmatrix} λ_0|0\rangle & λ_1|1\rangle & λ_2|2\rangle &\cdots \end{pmatrix} \end{array}

 

でまあこれをこんな感じにすると、

このように、最も単純で分かりやすいベクトルから、

ベクトルを並べるだけで行列を作れちゃう、って感じです。

 

 

行列が『ベクトルを並べたもの』だと分かってると、

これはすんなり納得できると思います。

 

 

 

話は変わって、2つ目の使うやつなんですけど、

そいつの名前は「正規直行完全系」って言います。

字面だけじゃ意味わからんですね。

 

 

まあこれ、実際は

「正規直行」かつ「完全」なものことで、

だいたいの人は知らなくて当然のものになります。

 

 

てなわけなので、これを分けて解説。

 

 

 

 

 

完全系

 

これは、いわば「ベクトルみたいなもの」で、

その中でも『全て表現できるもの』のことを指します。

まあ要は「基底が持つべき性質」の、根っこの話。

 

\psi_1(x),\psi_2(x),\psi_3(x),...

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle f(x)&=c_1\psi_1(x)+c_2\psi_2(x)+… \\ \\ &\displaystyle =\sum_{i=1}^{\infty}c_i\psi_i(x) \end{array}

 

厳密にはベクトルに限定されてなくて、

「変数/関数の集まり」なんですけど、

使うときはだいたいベクトルなので、まあそこは。

 

\displaystyle f(x)=\begin{pmatrix} c_1 \,\, c_2 \,\, c_3\,\,\cdots \end{pmatrix}\begin{pmatrix} \psi_1(x) \\ \psi_2(x) \\ \psi_3(x) \\ \vdots \end{pmatrix}

 

ともかく、こういう「 \psi_1(x),\, \psi_2(x),\, \psi_3(x),\, \cdots 」が、

『完全系』って言われてる関数の集まりになります。

 

 

 

これの具体例はだいたい2つで、

x^n 」と「 e^{inx} 」ですね。

 

 

x^n 」が使える理由はテイラーの定理。

e^{inx} 」が使える理由はフーリエ級数展開です。

 

 

ざっとおさらいしておくと、

ほぼすべての関数が↓のように書ける、って言ってます。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle f(x)&\displaystyle =f(0)x^0+\frac{1}{1!}f^{(1)}(0)x^1+\frac{1}{2!}f^{(2)}(0)x^2+... \\ \\ \\ f(x)&=c_{0}e^{i0x}+c_{1}e^{i1x}+c_{2}e^{i2x}+c_{3}e^{i3x}+... \\ \\ 2πc_n&\displaystyle =\int_{-π}^{π} f(x)e^{-inx} \,dx \end{array}

 

この辺りは説明が超長くなるのでカット。

別の記事でやります。

 

 

 

 

 

直交系

 

これは『内積』の話です。

内積の積分表示は覚えていますか?

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \displaystyle \langle f(x),g(x) \rangle&\displaystyle =\int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(x) \, dx \\ \\ \\ \displaystyle \langle \psi_i(x),\psi_j(x) \rangle&\displaystyle =\int_{-\infty}^{\infty} \psi_i(x) \, \psi_j(x) \, dx \end{array}

 

確認しておくと、まあこれなんですが。

 

 

ともかく、この内積を考えるとき、

完全系とはまた別に、

「直交系」ってのが考えられるんです。

 

 

意味としては、そのまま

「直交してるやつの集まり」って感じ。

 

 

んで「直交」なんですけど、

これは要は「 90° で交わってる」ってことで、

 

 

言い換えるなら、

「直角に交わってる」ってことですね。

まあつまり、内積で表すと↓ってこと。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \langle \psi_i(x),\psi_j(x) \rangle&\displaystyle =|\psi_i(x)|\,|\psi_j(x)|\,\cos\frac{π}{2} \\ \\ &=0 \\ \\ \\ \displaystyle \langle \psi_i(x),\psi_i(x) \rangle&=|\psi_i(x)|\,|\psi_i(x)|\,\cos0 \\ \\ &=|\psi_i(x)|^2 \end{array}

 

んでまあ、これをそのまま使って、

『関数の集まり』である「直交系」が満たす条件は、

 

\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} \psi_i(x) \, \psi_j(x) dx=\begin{cases} \,\,\,0 & (i≠j) \\ \,\,\,c & (i=j) \end{cases}

 

こういう風に定義されてます。

まんまですね。

 

 

ちなみに「 c は積分した計算結果」です。

何が入るかは計算した後に決まります。

 

 

んでまあ「直交系」の具体的なやつなんですけど、

↓みたいなのが代表的ですね。

てか、だいたいこいつ。

 

\displaystyle f(x)=\sum_{n=0}^{\infty}c_ne^{inx}

 

確認しておきましょうか。

n,m は整数」とします。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle n&≠m \\ \\ \\ \langle e^{inx}|e^{imx} \rangle &\displaystyle =\int_{-π}^{π} e^{inx}(e^{imx})^{*} \,dx \\ \\ &\displaystyle =\int_{-π}^{π} e^{inx}e^{-imx} \,dx \\ \\ \\ &\displaystyle =\int_{-π}^{π} e^{inx-imx} \,dx \\ \\ &=\displaystyle \int_{-π}^{π} (\cos (n-m)x+i\sin (n-m)x) \,dx \end{array}

 

三角関数の「1周期分の」積分値は、

グラフの見た目から直感的にわかるので、

 

\begin{array}{rlc} n-m&=k \\ \\ \displaystyle\int_{-π}^{π} \cos kx \,dx&=0 \\ \\ \displaystyle\int_{-π}^{π} \sin kx \,dx&=0 \\ \\ \\ \displaystyle\int_{-π}^{π} e^{inx-imx} \,dx&\displaystyle =0 \end{array}

 

「三角関数の直交性」を利用したやつだと、

↓みたいな確認方法もあります。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle\int_{-π}^{π} \cos nx \cos mx \,dx&=0 &(n≠m)\\ \\ \displaystyle\int_{-π}^{π} \sin nx \sin mx \,dx&=0&(n≠m)\\ \\ \displaystyle\int_{-π}^{π} \cos nx \sin mx \,dx&=0 \end{array}

 

\begin{array}{llc} \displaystyle \int_{-π}^{π} e^{inx}e^{-imx} \,dx \\ \\ =\displaystyle \int_{-π}^{π} (\cos nx+i\sin nx)(\cos mx-i\sin mx) \,dx\\ \\=0 \end{array}

 

はい、とまあこんな感じに、

ちゃんと直交してることが分かりますね。

 

e^{inx}

 

ちなみに「正規直交基底」って言ったら、

だいたいこれが使われてます。

 

 

 

 

 

規格直交系

 

これは、要は「特殊な直交系」のことで、

具体的には「 c=1 」に限定されるパターンのやつです。

 

\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} \psi_i(x) \, \psi_j(x) \, dx=\begin{cases} \,\,\,0 & (i≠j) \\ \,\,\,1 & (i=j) \end{cases}

 

まあつまりこれ。

 

 

単に「直交系を積分して得た値」を、

1 になるようにした』だけなので、

そんなに難しく考えなくていいです。

 

\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} \psi_i(x) \, \psi_j(x) \, dx=\begin{cases} \,\,\,0 & (i≠j) \\ \displaystyle \,\,\,1 & (i=j) \end{cases}

 

ちなみにこの操作が「規格化」

見た目はあれですけど、超単純です。

 

 

求める順番については、

「計算→1にする」って感じですね。

具体的な計算はシュレーディンガー方程式のとこでやります。

 

 

 

 

 

求められる性質

 

そもそもなんで↑がいるの? っていう疑問について、

ここで大雑把に解説しておきます。

 

 

詳しいことは後述しますが、

とりあえず↓をシュレーディンガー方程式としますね。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{H}\psi&=E\psi \\ \\ \displaystyle \hat{H}\psi_i&=E_i\psi_i \end{array}

 

で、これは固有値方程式として扱うことができるので、

計算を行う場合、↓のようにしたいと思いませんか?

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \psi_{i}^{*}\hat{H}\psi_i&=\psi_{i}^{*}E_i\psi_i \\ \\ \displaystyle \psi_{i}^{*}\hat{H}\psi_i&=E_i\psi_{i}^{*}\psi_i \end{array}

 

なぜなら『方程式の意味』を考えた時、

「期待値を表していると考える」場合だと、

『意味のある答えが導かれる』ので。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \sum_{i=1}^{n}E_i\psi_{i}^{*}\psi_i&=\overline{E} \\ \\ \displaystyle \sum_{i=1}^{n}\psi_{i}^{*}\psi_i&=1 \end{array}

 

まあですからこのように、

「複素関数の内積」には、

確率としての性質を要求したいです。

 

 

なんでかというと、複素関数である「 \psi 」を、

『確率として解釈できる実数にする』なら、

「内積」をとってみるのが都合良いじゃないですか。

 

 

このあたりちょっとよくわかんないと思いますが、

今はとりあえず受け入れてください。詳しくは後述。

 

 

 

んでまあこういう「要求される性質」を考えると、

『正規直交完全系が最も都合が良い』となるわけで、

 

 

つまり「正規直交完全系だとする」のは、

これが理由なんですね。

 

 

数式で見てみると、

「正規直交完全系」は↓を実現する感じです。

 

\displaystyle \psi=\begin{pmatrix} \psi_1&\psi_2&\psi_3 &\cdots&\psi_n \end{pmatrix}

\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} \psi_{i}^{*} \, \psi_j \, dx=\begin{cases} \,\,\,0 & (i≠j) \\ \displaystyle \,\,\,1 & (i=j) \end{cases}

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle |\psi \rangle \langle \psi^{*} |&\displaystyle =\begin{pmatrix} \textcolor{pink}{\psi^{*}_1\psi_1}&\psi^{*}_1\psi_2&\cdots&\psi^{*}_1\psi_n \\ \psi^{*}_2\psi_1&\textcolor{pink}{\psi^{*}_2\psi_2}&\cdots&\psi^{*}_2\psi_n \\ \vdots&\vdots&&\vdots \\ \psi^{*}_n\psi_1&\psi^{*}_n\psi_2&\cdots&\textcolor{pink}{\psi^{*}_n\psi_n} \end{pmatrix} \\ \\ & \end{array}

\begin{array}{rlc} \displaystyle \begin{pmatrix} \displaystyle\int_{-\infty}^{\infty}\textcolor{pink}{\psi_{1}^{*}\psi_1}\,dx&\displaystyle\int_{-\infty}^{\infty}\psi^{*}_1\psi_2\,dx&\displaystyle\cdots&\displaystyle\int_{-\infty}^{\infty}\psi^{*}_1\psi_n\,dx \\ \displaystyle\int_{-\infty}^{\infty}\psi^{*}_2\psi_1\,dx&\displaystyle\int_{-\infty}^{\infty}\textcolor{pink}{\psi^{*}_2\psi_2}\,dx&\displaystyle\cdots&\displaystyle\int_{-\infty}^{\infty}\psi^{*}_2\psi_n\,dx \\ \vdots&\vdots&&\vdots \\ \displaystyle\int_{-\infty}^{\infty}\psi^{*}_n\psi_1\,dx&\displaystyle\int_{-\infty}^{\infty}\psi^{*}_n\psi_2\,dx&\cdots&\displaystyle\int_{-\infty}^{\infty}\textcolor{pink}{\psi^{*}_n\psi_n}\,dx \end{pmatrix} \\ \\=\begin{pmatrix} 1&0&0&\cdots&0 \\ 0&1&0&\cdots&0 \\ 0&0&1&\cdots&0 \\ \vdots&\vdots&\vdots&&\vdots \\ 0&0&0&\cdots&1 \end{pmatrix} \end{array}

 

完全系なり直交系自体には

大した意味はありません。

ただの便利なやつだと思っておけば十分。

 

 

んでまあこれの意味なんですけど、

見てなんとなくわかると思いますが、

 

 

『確率を表現したい』のと、

『計算をややこしくしないため』に、

「こうするしかない」って感じ。

 

 

えらく手順的な、形式的な話になるので、

この辺り、けっこうぐちゃぐちゃになりがち。

 

 

 

 

 

物理量と展開係数

 

「展開係数」と言うと意味わかんないですけど、

これは『波動関数の中身』の話って思っておけば、

まあだいたい合ってます。

 

\displaystyle \psi=\sum_{i=1}^{n}c_i\psi_i

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{H}\psi_i&=E_i\psi_i \\ \\ \displaystyle \hat{A}c_i&=a_ic_i \end{array}

 

やってることとしては、

波動関数(状態) \psi(a) の中身を、

変数 a で分解してる感じですね。

 

 

ちなみに A が「なんらかの物理量」で、

c_i が「展開係数」です。

この数値は『確率』を表す、とされています。

 

 

 

んで、なんでこれを紹介するかって話なんですけど、

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \psi(x)&\displaystyle =\sum^{n}_{i=1}\sqrt{p_i}\psi_i(x) \\ \\ \displaystyle \psi(a)&\displaystyle =\sum^{n}_{i=1}c_i\psi_i(a) \end{array}

 

これは「位置 x 以外の物理量」を考えるとき、

その『中身の確率』を考えると「必要になるから」

知っておく必要がある、って感じ。

 

 

具体的な書かれ方としては、

↓みたいな感じですね。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle |\psi(x)|^2&\displaystyle =\frac{1}{2}|\psi_1(x_1)|^2+\frac{1}{2}|\psi_2(x_2)|^2 \\ \\ \displaystyle \psi(x)&=\displaystyle \sqrt{\frac{1}{2}}\psi_1(x_1)+\sqrt{\frac{1}{2}}\psi_2(x_2) \\ \\ \\ \displaystyle \psi(a)&=\displaystyle \sqrt{p_{a_1}}\psi_1(a_1)+\sqrt{p_{a_2}}\psi_2(a_2)\end{array}

 

んで、これ見て何となくわかると思いますが、

 

\begin{array}{rlc} f(x)&= f_1(x)+f_2(x) \\ \\ |f(x)|^2&=|f_1(x)|^2+2|f_1(x)f_2(x)|+|f_2(x)|^2 \\ \\ \\ \psi(x)&= c_1\psi_1(x)+c_2\psi_2(x) \\ \\ |\psi(x)|^2&=|c_1\psi_1(x)|^2+2|c_1\psi_1(x)c_2\psi_2(x)|+|c_2\psi_2(x)|^2 \\ \\ &=|c_1\psi_1(x)|^2+|c_2\psi_2(x)|^2 \end{array}

 

こうなっちゃってます。

なんか、 \psi_1(x)\psi_2(x) が消えてる。

 

 

まあ実際には「邪魔だから消してる」わけなんですが、

ともかく、波動関数の計算処理では、

こういう操作が要求されるんですよ。

 

 

ここ、今はとりあえず飲み込んでおいてください。

複素関数を確率解釈するための手順

みたいに思っておけば、だいたいOK.

 

 

で、これを実現するのが、

『正規直行完全系』でして、

↑みたいな計算は、この制限の元で初めて成立します。

 

\displaystyle \psi(a)=\sum_{i=1}^{n}c_i\psi_i(a_i)

 

話を戻すと、

『位置 x だけを変数に持つ波動関数』から、

他のでもいけるように一般化した結果が↑なんですよ。

 

 

んでここで出てくる「展開係数 c_i 」ってのが、

『確率として解釈すると良い感じ』になるので、

そのためにごちゃごちゃやってる、みたいな感じです。

 

 

 

計算式だけじゃあれなので

感覚的な話をするなら、

「シュレーディンガーの猫」とかで見てみましょうか。

 

\displaystyle\mathrm{State}=\sqrt{\frac{1}{2}}\mathrm{Alive}+\sqrt{\frac{1}{2}}\mathrm{Dead}

 

はい、まあこんな感じに、

『状態』として \mathrm{State} は定義されていて、

その中身は分解できるようになっています。

 

 

 

ついでに「波動」の由来ですけど、

『波』は「合成」すると、

『1つの状態をとれる』じゃないですか。

 

 

これは↑の要求を満たす「関数 \psi 」の性質から、

『波の性質を持つ』と「結果的に」分かったために、

そのように名付けられた、って感じです。詳細は後述。

 

\displaystyle \psi(x,t)=e^{i(kx-ωt)}

 

これが具体的な波動関数の中身になります。

 

\displaystyle \psi_1(x_1,t)+\psi_2(x_2,t)=e^{-iωt}(e^{ikx_1}+e^{ikx_2})

 

\displaystyle \begin{array}{lcc} \displaystyle\sqrt{\frac{1}{3}}\psi_1(x_1)+\sqrt{\frac{2}{3}}\psi_2(x_2) \\ \\ \displaystyle=e^{-iωt}\left(\sqrt{\frac{1}{3}}e^{ikx_1}+\sqrt{\frac{2}{3}}e^{ikx_2}\right)\end{array}

 

具体的な形はこんな感じなんですけど、

とりあえずここでの説明はスキップ。

後でやります。

 

 

 

んでこっからが本題なんですけど、

↓の「 c_i 」が『展開係数』って呼ばれてて、

 

\displaystyle \sum_{i=1}^{n}|c_i|^2=1

 

『規格化されている』場合は、

必ずこうなるように、なってます。

 

 

確認しておくと、

連続値の場合で考えるなら、

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \psi&\displaystyle=\sum_{i=1}^{n}c_i\psi_i \\ \\ \\ \displaystyle \int |\psi|^2 \,dx&\displaystyle=\int \psi^{*}\psi \,dx \\ \\ &\displaystyle = \int \left( \sum_{i=1}^{n}c_i\psi_i \right)^{*} \left( \sum_{j=1}^{n}c_j\psi_j \right) \,dx \end{array}

 

\displaystyle (a+b)^*=a^*+b^*

 

\displaystyle \begin{array}{llc} \displaystyle \int \left( \sum_{i=1}^{n}c_i\psi_i \right)^{*} \left( \sum_{j=1}^{n}c_j\psi_j \right) \,dx\\ \\ \displaystyle = \int \left( \sum_{i=1}^{n}c_{i}^{*}\psi_{i}^{*} \right) \left( \sum_{j=1}^{n}c_j\psi_j \right) \,dx \end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{ccc} (a_1+a_2)(b_1+b_2) \\ \\ \displaystyle\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1}^{m}a_ib_j=\sum_{i=1}^{n}a_i\sum_{j=1}^{m}b_j \end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{llc} \displaystyle \int \left( \sum_{i=1}^{n}c_{i}^{*}\psi_{i}^{*} \right) \left( \sum_{j=1}^{n}c_j\psi_j \right) \,dx \\ \\ \displaystyle = \int \left( \sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1}^{n}c_{i}^{*}\psi_{i}^{*}c_j\psi_j \right) \,dx \end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{ccc} \hat{A}c_i=a_ic_i \\ \\ \displaystyle \int af(x) \,dx=a\int f(x)\,dx \end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{llc} \displaystyle \int \left( \sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1}^{n}c_{i}^{*}\psi_{i}^{*}c_j\psi_j \right) \,dx \\ \\ \displaystyle =\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1}^{n}\left(c_{i}^{*}c_j \int \psi_{i}^{*}\psi_j \,dx\right) \end{array}

 

以上の式変形を経て、

『規格化されている』とした場合、

 

\displaystyle δ_{ij}=\begin{cases} \,\,\,1&(i=j) \\ \,\,\, 0&(i≠j) \end{cases}

 

\displaystyle \begin{array}{llc} \displaystyle \sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1}^{n}\left(\int \psi_{i}^{*}\psi_j \,dx\right) \\ \\ \displaystyle =\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1}^{n}δ_{ij} \end{array}

 

「直交系」だとこうなるので、

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1}^{n}\left(c_{i}^{*}c_j \int \psi_{i}^{*}\psi_j \,dx\right)&=\displaystyle \sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1}^{n}c_{i}^{*}c_j δ_{ij} \\ \\ &=\displaystyle\sum_{i=1}^{n}c_{i}^{*}c_{i} \end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{rll} \displaystyle\sum_{i=1}^{n}c_{i}^{*}c_{i}&=\displaystyle\sum_{i=1}^{n}|c_{i}|^2 \\ \\ &\displaystyle =\int |\psi|^2 \,dx \\ \\ &=1\end{array}

 

最終的にこうなります。

 

 

んでこれ、なんか「波動関数」にすごく似てますよね。

なんか『確率として』扱えそうじゃないですか?

一応、その条件は満たしてるので。

 

 

はい、とまあそんな感じなので、

この『展開係数』って呼ばれるものもまた、

 

 

『そのようにすると都合が良い』ので、

「確率として扱う」ことにした、というわけです。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \overline{a}&\displaystyle =\sum_{i=1}^{n}a_iP_i \\ \\ &\displaystyle =\sum_{i=1}^{n}a_i|c_i|^2 \\ \\ \\ \displaystyle \overline{a}&\displaystyle =\int aP \,da \\ \\ \displaystyle &\displaystyle =\int a|c|^2\,da \end{array}

 

『展開係数』についてはこんな感じ。

 

 

まあれです。

展開されたときの係数というよりは、

「状態が確定する確率」って覚えておいた方が良いかも?

 

 

ともあれ今の時点ではよく分からないでしょう。

これは『観測可能量』とか『波動関数の定義』とか、

そのあたりで使う考え方なんですけど、

 

 

とりあえず今の時点では、

『正規直交完全系の役割の1つ』

とでも思っておいてください。詳しい話は後で。

 

 

 

 

 

行列との繋がり

 

↑だけを見た感じだと、

まだ『行列にする理由』がよく分かりません。

 

 

まあ結論としては、↓の感じを考えるとき

『分かりやすいから』ってのが答えなんですが。

 

\displaystyle δ_{ij}=\begin{cases} \,\,\,1&(i=j) \\ \,\,\,0&(i≠j) \end{cases}

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \begin{pmatrix} δ_{11}&δ_{12}&\cdots&δ_{1n} \\ δ_{21}&δ_{22}&\cdots&δ_{2n} \\ \vdots&\vdots&&\vdots \\ δ_{n1}&δ_{n2}&\cdots&δ_{nn} \end{pmatrix}&=\begin{pmatrix} 1&0&\cdots&0 \\ 0&1&\cdots&0 \\ \vdots&\vdots&&\vdots \\ 0&0&\cdots&1\end{pmatrix}\\ \\&=\hat{1} \end{array}

 

よくわかんないかもしれませんが、

例えば『PCで処理をする』時とか、

まあつまりプログラムで書き表す場合、

 

 

より抽象的には『有限の範囲』で計算する場合、

ベクトル表現は、最も都合が良いんですよ。

 

 

どういうことか分かりにくいと思うので説明すると、

これはまあ、要は「実際に計算するとき」の話で、

 

 

行列、というか「ベクトル」を使うと、

『期待値の計算から確率を計算する方法』の中で、

『確率を分離する手段として最も都合が良い』って感じ。

 

 

 

加えて、平均・期待値を求める場合、

『無限個のサンプルから』求めるのが理想ですが、

それは現実的じゃないですよね?

 

 

まあつまり、計算時は

『有限個で計算する』ことになるわけで、

その「形式」として、やはりベクトルが最も適してるんです。

 

 

まあ、これは要は「統計の中身」の話ですね。

統計の本質と言い換えてもいいかもしれません。

 

 

というのも、例えば『物理量の平均値』について、

『同じ状態(波動関数)』とした上で、

「計測した結果から」導く場合、

 

\displaystyle \begin{array}{rll} \mathrm{E}[A]&=\overline{A}&=\langle A\rangle \\ \\ &&=a_1|c_1|^2+a_2|c_2|^2+…+a_n|c_n|^2 \end{array}

 

このように表現されることになります。

ただ、係数 c_i は『確率』を表しているので、

『分離した方が見やすいし扱いやすい』じゃないですか。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \langle A\rangle&=\begin{pmatrix} a_1&a_2&\cdots&a_n \end{pmatrix}\begin{pmatrix} |c_1|^2\\|c_2|^2\\\vdots\\|c_n|^2 \end{pmatrix} \end{array}

 

となると必然、このように

「ベクトルを使うと良い感じになる」わけですよ。

 

 

加えて『確率を使う』ことから、

計算過程で「クロネッカーのデルタ」が登場します。

だから「行列」を使う、という感じなわけですね。

 

 

 

 

 

期待値の表現方法

 

量子力学の『期待値』の表現方法では

よく↓が使われるわけですが、

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \langle A \rangle &=\langle \psi^{*}|\hat{A}|\psi \rangle \\ \\ &\displaystyle =\int \psi^{*} \hat{A} \psi \,dx \end{array}

 

なんでこうするのかとか、

こうする意味とか、よく分かんないと思います。

 

 

まあともかく、とりあえず

↑の主張が正しいことを確認しておきましょうか。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \int \psi^{*} \hat{A} \psi \,dx &\displaystyle =\int \left( \sum_{i=1}^{n} c_i\psi_i \right)^{*} \hat{A} \left( \sum_{j=1}^{n}c_j\psi_j \right) \,dx \\ \\ &\displaystyle = \sum_{i=1}^{n} c^{*}_{i} \sum_{j=1}^{n} c_{j} \int \sum_{i=1}^{n} \psi_{i}^{*} \hat{A}\sum_{j=1}^{n}\psi_j \,dx \end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle\sum_{i=1}^{n} \psi_{i}^{*} \hat{A}\sum_{j=1}^{n}\psi_j & \displaystyle =\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1}^{n} \psi_{i}^{*} \hat{A}\psi_j \\ \\ \\ \displaystyle\sum_{i=1}^{n} \psi_{i}^{*} \hat{A}\sum_{j=1}^{n}\psi_j & \displaystyle =\sum_{i=1}^{n} \psi_{i}^{*} \sum_{j=1}^{n}\hat{A}\psi_j \\ \\ (a_1\hat{A}+a_2\hat{A})(b_1+b_2)&=(a_1+a_2)(\hat{A}b_1+\hat{A}b_2) \end{array}

 

\psi 」はこの時点ではスカラー値ですが、

『交換』しなくても計算が成立するので、

「ベクトルに変えても特に問題がない」ことが分かります。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \int \psi^{*} \hat{A} \psi \,dx &\displaystyle =\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1}^{n}\left(c_{i}^{*}c_j \int \psi_{i}^{*}\hat{A}\psi_j \,dx\right) \\ \\ \\ &\displaystyle =\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1}^{n}\left(c_{i}^{*}c_j \int \psi_{i}^{*}a_j\psi_j \,dx\right) \\ \\ &\displaystyle =\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1}^{n}\left(c_{i}^{*}c_j a_j\int \psi_{i}^{*}\psi_j \,dx\right) \\ \\ \\ &\displaystyle =\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1}^{n}\left(c_{i}^{*}c_j a_jδ_{ij}\right) \\ \\ &\displaystyle =\sum_{i=1}^{n}c_{i}^{*}c_i a_i=\sum_{i=1}^{n}a_i|c_{i}|^2 \end{array}

 

はい、まあこんな感じに、

 

\displaystyle \sum_{i=1}^{n}c_{i}^{*}c_i a_i=\sum_{i=1}^{n}a_i|c_{i}|^2

 

ちゃんと↑は期待値になってますね。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \sum_{i=1}^{n}|c_{i}|^2&=1 \\ \\ 0≤|c_{i}|^2&≤1 \end{array}

 

順番は前後しますが、↑は正しいわけですから、

『期待値だと解釈する』場合に、

「展開係数」を『確率だと解釈できる』のは確かです。

 

 

 

以上、話は変わって、

この「意味」についての話なんですが、

 

 

結論から行くと、

『ベクトルを使うと確率を分離できる』ことと、

『クロネッカーのデルタを表現したい』こと。

 

 

↑で言ってた、

これらが『行列にする意味』になります。

 

 

 

ざっとまとめると、シュレーディンガー方程式は

「意味」のために『期待値を表すことにしたい』ので、

「複素関数から確率が得られる」ことが要求されてます。

 

 

そして「期待値を表すことにしたい」わけですから、

『波動関数で確率が導ける』必要があって、

その手段として「内積」が候補に。

 

 

そして『内積で得られた実数を確率にしたい』ので、

それに最も都合の良い「正規直交完全系」が採用され、

 

 

その「結果」として、

『行列にすると良い感じ』になった、って感じですね。

 

 

 

感覚的な話としては、

「意味分かんない式に意味を持たせたい」ときて、

その『結果』として「行列を使う」って感じです。

 

 

まあつまり、行列を使う理由は『結果論』になります。

 

 

そう、計算過程で、結果的に、

「クロネッカーのデルタ δ_{ij} 」が表れて、

 

 

それを『行列としても特に問題が無い』から、

行列(ベクトル)を使うことにしたんですね。

 

 

 

まあ「使うことにする」というより、

「使っても良いよ」ってのが正確なところなんですが。

 

 

ともかく、PCで計算処理をする場合を除いて、

「使わなければならないわけではない」感じ。

 

 

 

はい、とまあこんな感じで、

いろいろと都合がいい利点があって、

行列を使う選択をしてるんですね。

 

 

 

 

 

行列表示と行列の要素

 

以上のことと「フーリエ級数」が分かってると、

物理量を表す「行列の要素 a_{nm} 」を、

↓みたいに書けることがなんとなく分かるはずです。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle f&=\begin{pmatrix} f_1&f_2&\cdots&f_n \end{pmatrix} \\ \\ A&=\left(\begin{array}{ccc} \displaystyle a_{11}&a_{12}&\cdots&a_{1m} \\ a_{21}&a_{22}&\cdots&a_{2m} \\ \vdots &\vdots &&\vdots \\ a_{n1}&a_{n2}&\cdots&a_{nm} \end{array}\right) \end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle f_n&\displaystyle=\int \phi_{n}^{\dagger}(x)f(x) \,dx \\ \\ a_{nm}&\displaystyle=\int \phi_{n}^{\dagger}(x)\hat{A}\phi_{m}(x) \,dx \end{array}

 

直交系 \phi_{n}(x) の「内積が 0 になる」性質から、

係数として、要素 a_{nm} を求めてる感じですね。

 

 

これはまんま、フーリエ級数の感覚になります。

なにせ係数を求める手順そのままですし。

 

 

 

まあでも、これじゃよくわかんないと思うので、

使ってる「正規直交基底 \phi_{n}^{\dagger}(x) 」が↑な理由を

一応、ちゃんと求めておきましょうか。

 

\displaystyle \left\{ \begin{array}{rlc} \displaystyle \int_{0}^{2π} \cos nx \,dx&=0 \\ \\ \displaystyle \int_{0}^{2π} \sin nx \,dx&=0 \end{array} \right.

 

\displaystyle \left\{ \begin{array}{rlc} \displaystyle \int_{0}^{2π} \cos nx \sin mx \,dx&=0 \\ \\ \displaystyle \int_{0}^{2π} \cos nx \cos mx \,dx&=πδ_{nm} \\ \\ \displaystyle \int_{0}^{2π} \sin nx \sin mx \,dx&=πδ_{nm} \end{array} \right.

 

使うのはこの性質です。

 

 

これと『連続値の内積』を使って、

「取り出したい係数だけを取り出す」

というのがどういうことか、説明してみます。

 

\displaystyle f(x)=\sum_{k=0}^{\infty}c_{n}e^{inx}

 

\displaystyle e^{iθ}=\cos θ+i\sin θ

 

これがフーリエ級数展開です。

↑の三角関数の性質から「仮定」できるんですけど、

とりあえず、ここでは覚えてください。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \langle a,a \rangle &=|| a ||^2 \\ \\ \displaystyle \langle e^{iθ},e^{iθ} \rangle &=|| e^{iθ} ||^2=e^{iθ}・(e^{iθ})^* \\ \\ &\displaystyle =\int e^{iθ} (e^{iθ})^{*} \,dx \\ \\ \end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle z_α&=\cos α+i\sin α \\ \\ z_{β}^{*}&=\cos β-i\sin β \\ \\ \\ z_αz_{β}^{*}&=\cos α\cos β+\sin α\sin β \\ \\ & \,\, +\,i(\sin α\cos β-\cos α\sin β) \end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \langle f(x),e^{inx} \rangle &\displaystyle =\int_{0}^{2π} f(x) (e^{inx})^{*} \,dx \\ \\ &\displaystyle =\int_{0}^{2π} \left( \sum_{m=0}^{\infty}c_{m}e^{imx} \right) (e^{inx})^{*} \,dx \\ \\ \\ &\displaystyle =\int_{0}^{2π} c_ne^{inx} e^{-inx} \,dx+0 \\ \\&=2πc_n \\ \\ \end{array}

 

するとまあ、このように「内積」を使うと

「取り出したい係数を取り出せる」ので、

これをそのまま、行列の要素を取り出す手順として使えます。

 

 

 

この考え方の発想の流れは、

「期待値の表現」→「フーリエ級数」→「↑の形式」ですね。

 

\begin{array}{rlc} a_{nm}&\displaystyle=\int \phi_{n}^{\dagger}(x)\hat{A}\phi_{m}(x) \,dx \end{array}

 

なのでフーリエ級数が分かっていれば、

↑の形式の意味がよく分かると思います。

 

 

 

 

 

直交完全系の正規化

 

\phi_n(x) 」の具体的な中身の話をしていきます。

まあ要は「正規直交基底」の話です。

 

 

ということなので、

さっそく e^{inx} を「規格化」してみます。

 

\displaystyle \begin{array}{clc} \displaystyle \int_{0}^{2π}(e^{inx})^* e^{imx} \,dx &\displaystyle =2πδ_{nm} \\ \\ \\ \displaystyle \int_{0}^{2π}(e^{inx})^* e^{inx} \,dx &\displaystyle =2π \\ \\ \\ \displaystyle \int_{0}^{2π} \left( \sqrt{\frac{1}{2π}}e^{inx} \right)^* \sqrt{\frac{1}{2π}}e^{inx} \,dx &\displaystyle =1 \end{array}

 

『積分範囲を一般化したい』のであれば、

 

\begin{array}{rll} \displaystyle 0&≤kx&≤2π \\ \\ 0&≤x&≤\displaystyle\frac{2π}{k} \end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{clc} \displaystyle \int_{0}^{\frac{2π}{k}}(e^{inkx})^* e^{imkx} \,dx &\displaystyle =\frac{2π}{k}δ_{nm} \\ \\ \\ \displaystyle \int_{0}^{\frac{2π}{k}}(e^{inkx})^* e^{inkx} \,dx &\displaystyle =\frac{2π}{k} \\ \\ \\ \displaystyle \int_{0}^{\frac{2π}{k}} \left(\sqrt{\frac{k}{2π}}e^{inkx} \right)^* \sqrt{\frac{k}{2π}}e^{inkx} \,dx &\displaystyle =1 \end{array}

 

このように周期をいじればOK。

 

\displaystyle \phi_{n}(x)\displaystyle =\sqrt{\frac{k}{2π}}e^{inkx}

 

はい、とまあこんな感じになるんですね。

 

\displaystyle \sqrt{\frac{k}{2π}}e^{inkx}

 

「正規直交基底」って言ったら、

中身はだいたいこれだと思ってください。

 

 

 

 

 

生成消滅演算子

 

こいつは『演算子の行列表示の基礎』って感じのやつ。

「最も単純な物理量演算子の雛型」って言っていいかも?

 

 

まあ要は『単位の無い数値の部分』の話。

具体的には↓みたいな行列のことを指します。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{a}=&\displaystyle \begin{pmatrix} 0&1&0&0&0&\cdots \\ 0&0&\sqrt{2}&0&0&\cdots \\ 0&0&0&\sqrt{3}&0&\cdots \\ 0&0&0&0&\sqrt{4}&\cdots \\ 0&0&0&0&0&\cdots \\ \vdots & \vdots &\vdots & \vdots & \vdots & \end{pmatrix} \\ \\ \end{array}

 

なにこれ? って話なんですけど、

これはシュレーディンガー方程式から得られるやつで、

整数部分を整理した結果、なんか出てきたんですよ。

 

 

『個数演算子』とその平方根、

それに『微分』が作用した結果、

とでも思っておけばだいたい合ってます。

 

 

 

とりあえずざっと求めてみましょうか。

よく分かんない単語をちょっと使いますが、

後で説明するので、数式だけ、とりあえず見てください。

 

 

てなわけで、まずシュレーディンガー方程式について。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{H}\psi(x)&=E\psi(x) \\ \\ \displaystyle \left(\frac{p^2}{2m}+U(x)\right)\psi(x)&=E\psi(x) \end{array}

 

加えて、もっとも単純なポテンシャル U(x) を与える

『調和振動子(振り子)』ってのを採用します。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle v&=ωx \\ \\ \displaystyle\frac{1}{2}mv^2&\displaystyle =\frac{1}{2}mω^2x^2 \end{array}

 

すると↓に。

 

U(x)\displaystyle =\frac{1}{2}mω^2x^2

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \left(\frac{p^2}{2m}+U(x)\right)\psi(x)&=E\psi(x) \\ \\ \\ \displaystyle \left(\frac{p^2}{2m}+\frac{1}{2}mω^2x^2\right)\psi(x)&=E\psi(x) \end{array}

 

続いて、これから H を切り取ります。

 

\displaystyle H=\frac{p^2}{2m}+\frac{1}{2}mω^2x^2

 

で、おさらいしておくと、

位置 x と運動量 p は↓ですから、

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{x}&=x \\ \\ \hat{p}&\displaystyle =iℏ\frac{\partial}{\partial x} \end{array}

 

これを使ってまとめてみると↓みたいになって、

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \frac{1}{2m}p^2+\frac{1}{2}mω^2x^2&\displaystyle =\frac{1}{2}mω^2\left( x^2+\frac{1}{m^2ω^2}p^2 \right) \\ \\ \end{array}

 

まあ、こうなるわけです。

ここまで、ただの式変形なので難しく考えないように。

 

 

 

んで次、式の形を簡単にしていきます。

具体的には、また式変形していく感じ。

 

 

というわけでまず、シュレーディンガー方程式が

「エネルギーについてのもの」だということを念頭に、

『量子のエネルギー』を考慮してみます。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle E &=ℏω \\ \\ \\ H&\displaystyle =ℏω\frac{1}{ℏω}\left( \frac{1}{2}mω^2\left( x^2+\frac{1}{m^2ω^2}p^2 \right) \right) \\ \\ &\displaystyle =ℏω\frac{mω}{2ℏ}\left( x^2+\frac{1}{m^2ω^2}p^2 \right) \end{array}

 

これは『単位を抜き出す』操作ですね。

ℏω がエネルギーの単位を持っているので、

その他の部分は単位を持っていません。

 

 

まあともかく、これは一旦置いといて、

次は変数 x,p に注目してみます。

ちょうど 2 乗同士なってますし。

 

\displaystyle x^2+\frac{1}{m^2ω^2}p^2

 

良い感じの形ですよね。

なので、扱いやすいよう 1 次元にしてみましょうか。

 

\displaystyle \begin{array}{llc} \displaystyle x^2+\frac{1}{m^2ω^2}p^2 \\ \\ \displaystyle =\left( x-\frac{i}{mω}p \right)\left( x+\frac{i}{mω}p \right) \\ \\ \end{array}

 

するとちょうど複素共役の形をとれるので、

 

\displaystyle \hat{a}^{\dagger}\hat{a}=\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( x-\frac{i}{mω}p \right)\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( x+\frac{i}{mω}p \right)

 

こんな感じに、

『単なる数』が良い感じに抜き出せます。

 

 

でまあ、実はこの「 a,a^{\dagger} 」が、

『生成消滅演算子』って呼ばれてるやつでして、

量子力学の行列表示は、これが基礎になってます。

 

 

名前は厳ついですけど、

要はこれ、ただの『単純な演算子』なので、

そんなに難しく考えなくていいです。

 

 

 

ちなみにこいつは↓みたいになってるので、

 

\hat{n}=\hat{a}^{\dagger}\hat{a}

 

『個数演算子』から導くことができます。

詳しくは後述。

 

 

 

 

 

交換関係

 

これは『演算子の比較をするやつ』で、

これもただただ覚えるだけのものになります。

 

 

さっさと結論だけ書くと↓

 

[\hat{A},\hat{B}]:=\hat{A}\hat{B}-\hat{B}\hat{A}

 

これの名前が「交換子」です。

 

 

『交換するとなんか出てくるやつ』

とでも思っておけばOK。

とりあえず、この操作は覚えてください。

 

 

 

なにに使うかって話についてですけど、

これは「物理量演算子の交換」とかで使われてます。

 

 

どういう感じかを見てみましょうか。

 

[\hat{A},\hat{A}]=0

 

まあ当然ですけどこうなります。

『交換しても特に何も出ない』わけですから。

 

 

てことは、これが「 0 」の場合は

『同じ』みたいなことを意味してると言えますよね?

 

 

まあつまり、

『交換できるかどうか』とかを確認出来るんです。

 

[\hat{A},\hat{B}]=0

 

というのも、これが表しているのは、

『交換しても計算結果は同じ』ってことじゃないですか。

 

 

なにせ同じ行列になるわけですからね。

そういう風に解釈するのが自然でしょう。

 

 

 

はい、とまあこのように、

この操作は『交換による変化』を見ていて、

 

[A,B]≠0

 

こういう場合に、

『交換するために必要なものは何か』とかを、

この操作は提供します。

 

\begin{array}{rlc} [\hat{x}_i,\hat{p}_j]&=iℏ\,δ_{ij} \\ \\ δ_{ij}&=\begin{cases} 1&(i=j) \\ 0&(i≠j) \end{cases} \end{array}

 

具体的にはこういうのが代表的ですね。

 

 

↑のやつは『正準交換関係』って呼ばれてます。

\hat{x} は座標」で「 \hat{p} は運動量」です。(後述)

 

 

 

ただまあ、基本的に「交換子」は『行列』なので、

0 になる」ことも「規則的になる」ことも、

ほとんどの場合は起きません。

 

 

しかし、こういう風に規則的になることもあって、

その時は特別な意味を持ったりします。

 

 

まあともかく、

ここでは『記号の意味』を覚えておいてください。

他は↓で詳しく説明するので。

 

 

 

 

 

正準交換関係

 

↑の式変形には、実は問題があります。

ここではその話をする感じです。

 

 

どういうことかって話なんですけど、

実は↑の式変形って、『仮説』の段階なんですよ。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \hat{a}^{\dagger}\hat{a}&\displaystyle =\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( \hat{x}-\frac{i}{mω}\hat{p} \right)\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( \hat{x}+\frac{i}{mω}\hat{p} \right) \\ \\ &\displaystyle =\frac{mω}{2ℏ}\left( \hat{x}-\frac{i}{mω}\hat{p} \right)\left( \hat{x}+\frac{i}{mω}\hat{p} \right) \\ \\ \\ &\displaystyle =\frac{mω}{2ℏ}\left( \hat{x}^2+\hat{x}\frac{i}{mω}\hat{p}-\frac{i}{mω}\hat{p}\hat{x} + \frac{1}{m^2ω^2}\hat{p}^2\right) \\ \\ &\displaystyle =\frac{mω}{2ℏ}\left( \hat{x}^2 + \frac{1}{m^2ω^2}\hat{p}^2+\textcolor{skyblue}{\frac{i}{mω}\hat{x}\hat{p}-\frac{i}{mω}\hat{p}\hat{x} } \right) \end{array}

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \frac{i}{mω}\hat{x}\hat{p}-\frac{i}{mω}\hat{p}\hat{x} &\displaystyle =\frac{i}{mω}(\hat{x}\hat{p}-\hat{p}\hat{x}) \\ \\ &=\displaystyle \frac{i}{mω}[\hat{x},\hat{p}] \\ \\ &\textcolor{pink}{≠0} \end{array}

 

というのも、ここが問題になってます。

 

 

結論から行くと、

問題の原因は『微分』でして、

このせいで「交換できない」んですよ。ここ。

 

\begin{array}{rlc} H&\displaystyle =ℏω\frac{mω}{2ℏ}\left( x^2+\frac{1}{m^2ω^2}p^2 \right) \\ \\ &\displaystyle =\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( \hat{x}-\frac{i}{mω}\hat{p} \right)\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( \hat{x}+\frac{i}{mω}\hat{p} \right) \textcolor{pink}{\displaystyle -\frac{i}{mω}[\hat{x},\hat{p}]} \\ \\ \\ &\textcolor{pink}{≠} \displaystyle \sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( \hat{x}-\frac{i}{mω}\hat{p} \right)\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( \hat{x}+\frac{i}{mω}\hat{p} \right) \\ \\ &=ℏω\hat{a}^{\dagger}\hat{a} \end{array}

 

なのでこの部分、一致しません。

 

 

 

どういうことかっていうと、

まあ要は「微分する・しない」パターンで分かれるんですよ。

 

\displaystyle \left\{\begin{array}{rlc} \hat{x}\hat{p}\psi(x)&\displaystyle =x\left( -iℏ\frac{\partial}{\partial x} \right)\psi(x) \\ \\ \hat{p}\hat{x}\psi(x)&\displaystyle =\left( -iℏ\frac{\partial}{\partial x} \right)x\psi(x)\end{array}\right.

 

\begin{array}{rll} \Bigl(f(x)g(x)\Bigr)^{\prime}&=f^{\prime}(x)g(x)&+f(x)g^{\prime}(x) \\ \\ \displaystyle \frac{\partial}{\partial x} x\psi(x) &\displaystyle =\left(\frac{\partial}{\partial x}x\right)\psi(x)&\displaystyle +x\left(\frac{\partial}{\partial x}\psi(x)\right) \\ \\ &\displaystyle =\psi(x) &\displaystyle +x\frac{\partial}{\partial x}\psi(x)\end{array}

 

材料はこんな感じ。

微分の公式を覚えてれば、特に疑問はないかと。

 

 

一応言っておくと、

演算子なので、適当な関数 \psi(x) に作用させてます。

 

\begin{array}{lll} \displaystyle (\hat{x}\hat{p}-\hat{p}\hat{x})\psi(x) \\ \\ \\ \displaystyle =x\left( -iℏ\frac{\partial}{\partial x} \right)\psi(x) -\left( \left( -iℏ\frac{\partial}{\partial x} \right)x\psi(x) \right) \\ \\ \displaystyle =-iℏ\left( x\frac{\partial}{\partial x}\psi(x) \right)-\left( -iℏ \left( \textcolor{pink}{\psi(x)}+x\frac{\partial}{\partial x}\psi(x) \right) \right) \\ \\ \\ \displaystyle =-iℏ\left( \textcolor{skyblue}{x\frac{\partial}{\partial x}\psi(x)} -\left( \textcolor{pink}{\psi(x)}+\textcolor{skyblue}{x\frac{\partial}{\partial x}\psi(x)} \right) \right) \\ \\ =iℏ\textcolor{pink}{\psi(x)}\end{array}

 

\displaystyle [\hat{x},\hat{p}]=iℏ

 

するとまあ、こうなるんですね。

計算してみれば一目瞭然。

0 にはなりません。

 

 

 

んでまあ、こういうのって特徴的じゃありませんか?

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle [\hat{x},\hat{p}]&=iℏ \\ \\ &≠0 \end{array}

 

「交換関係」の中で 0 にならない上に、

なんか、見た目はすっきりしてるというか。

 

 

まあそういう感じなので、

これには『正準交換関係』って名前がついてるんですね。

 

 

 

 

 

エネルギーと正準交換関係

 

↑の仮説の検証結果の話をします。

結論としては、↓みたいににすると問題無しに。

 

\displaystyle E=ℏω\left(\hat{a}^{\dagger}\hat{a} +\frac{1}{2} \right)

 

これはまあ、計算して確かめますか。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} H&\displaystyle =ℏω\frac{mω}{2ℏ}\left( x^2+\frac{1}{m^2ω^2}p^2 \right) \end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \hat{a}^{\dagger}\hat{a} &\displaystyle =\frac{mω}{2ℏ}\left( \hat{x}^2 + \frac{1}{m^2ω^2}\hat{p}^2+\frac{i}{mω}\hat{x}\hat{p}-\frac{i}{mω}\hat{p}\hat{x}\right) \\ \\ &\displaystyle =\frac{mω}{2ℏ}\left( \hat{x}^2 + \frac{1}{m^2ω^2}\hat{p}^2+\frac{i}{mω}[\hat{x},\hat{p}]\right)\end{array}

 

まずこうで、

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} ℏω\hat{a}^{\dagger}\hat{a} &\displaystyle =ℏω\frac{mω}{2ℏ}\left( \hat{x}^2 + \frac{1}{m^2ω^2}\hat{p}^2+\frac{i}{mω}[\hat{x},\hat{p}]\right) \\ \\ &\displaystyle =ℏω\frac{mω}{2ℏ}\left( \hat{x}^2 + \frac{1}{m^2ω^2}\hat{p}^2\right)+ℏω\frac{mω}{2ℏ}\left(\frac{i}{mω}[\hat{x},\hat{p}]\right) \\ \\ \\ &\displaystyle =H+ℏω\frac{mω}{2ℏ}\frac{i}{mω}[\hat{x},\hat{p}] \\ \\ \\ &\displaystyle =H+ω\frac{i}{2}iℏ \\ \\ &\displaystyle =H-\frac{1}{2}ℏω \end{array}

 

\displaystyle H=ℏω\left(\hat{a}^{\dagger}\hat{a}+\frac{1}{2}\right)

 

計算するとこうなります。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle H&\displaystyle =ℏω\left(\hat{a}^{\dagger}\hat{a}+\frac{1}{2}\right) \\ \\ \hat{a}&\displaystyle =\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( x+\frac{i}{mω}p \right) \end{array}

 

以上のことから↑の結論が得られた、と。

まあ、そういう感じです。

 

 

 

 

 

生成消滅演算子の要素

 

『生成消滅演算子(行列)の要素』について、

↑を使って具体的な形を求めてみます。

 

\displaystyle \begin{array}{llr} \displaystyle \langle n|n \rangle &=1 & \,\,\,\,\,(n=m)\\ \\ \langle n|m \rangle&=0 & \,\,\,\,\,(n≠m) \end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{ccc} \displaystyle |0\rangle =\begin{pmatrix} 1\\0\\0\\0\\0\\ \vdots\end{pmatrix} & |1\rangle =\begin{pmatrix} 0\\1\\0\\0\\0\\ \vdots\end{pmatrix}& |2\rangle =\begin{pmatrix} 0\\0\\1\\0\\0\\ \vdots\end{pmatrix}& |3\rangle =\begin{pmatrix} 0\\0\\0\\1\\0\\ \vdots\end{pmatrix}& \cdots \end{array}

 

そのために使うのは、

こういう『正規直交系』の具体的なやつです。

この「ベクトルを並べる」感じで行列を作ります。

 

\begin{pmatrix} α_0|0\rangle&α_1|1\rangle&α_2|2\rangle&\cdots \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} α_0&0&0&\cdots \\ 0&α_1&0&\cdots \\ 0&0&α_2&\cdots \\ \vdots&\vdots&\vdots& \end{pmatrix}

 

確認しておくと、これを実現するやつは↓です。

 

\displaystyle \left\{ \begin{array}{rlc} \phi_{n}(x)&\displaystyle =\sqrt{\frac{k}{2π}}e^{inkx} \\ \\ \phi_{n}^{\dagger}(x)&\displaystyle =\left(\sqrt{\frac{k}{2π}}e^{inkx}\right)^{\dagger} \end{array} \right.

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \langle \phi_{n}(x) | \phi_{n}(x) \rangle&\displaystyle =\int_{0}^{\frac{2π}{k}} \phi_{n}^{\dagger}(x)\phi_{n}(x) \,dx\\ \\&=1 \\ \\ \langle\phi_{n}(x) | \phi_{m}(x) \rangle&\displaystyle =\int_{0}^{\frac{2π}{k}} \phi_{n}^{\dagger}(x)\phi_{m}(x) \,dx\\ \\&=0 \end{array}

 

固有ベクトル |n\rangle は、これで実現できます。

もちろんこれは、自身の内積が 1 になりさえすれば、

個数演算子の固有ベクトル以外でもOKです。

 

 

 

 

 

個数演算子と生成消滅演算子

 

「演算子の中身」を考えるために、

↓のような考え方を使います。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle H&\displaystyle =ℏω\left(\hat{a}^{\dagger}\hat{a}+\frac{1}{2}\right) \\ \\ &\displaystyle =ℏω\left(\hat{n}+\frac{1}{2}\right) \end{array}

 

\begin{array}{rlc} \hat{n}&=\hat{a}^{\dagger}\hat{a} \\ \\ \displaystyle \hat{n}|n\rangle&=n|n\rangle\end{array}

 

この部分は「ただの単位の無い数」なので、

こんな風にしても特に問題はありません。

 

 

それと任意の数、もしくは連続値じゃなくて、

『自然数 n に限定される』理由は、

「シュレーディンガー方程式の解」になります。

 

 

このあたり、詳しい説明は後で行うので、

とりあえず今は飲み込んでおいてください。

 

 

一応、どういうことかざっと説明しておくと、

「三角関数の周期 」が、

「解 E_n に含まれてる」って感じ。

 

 

 

ちなみにこの \hat{n} が「個数演算子」になります。

これは意味由来で「粒子数演算子」って呼ばれることも。

 

\hat{n}=\begin{pmatrix} 0&0&0&0&\cdots \\ 0&1&0&0&\cdots\\0&0&2&0&\cdots \\ 0&0&0&3&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots&\end{pmatrix}

 

直感に最も近い演算子で、

感覚的には自然数みたいなものだと思ってればOKです。

 

 

 

 

 

期待値と生成消滅演算子

 

生成消滅演算子の中身を考えるために、

とりあえず、こいつの「期待値」に注目してみます。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \langle n|\hat{n}|n\rangle&=\langle n|n|n\rangle \\ \\ &=n\langle n|n\rangle =n \end{array}

 

するとまあ当然こうなりますし、

具体的な値が求まるわけですが、

『特殊なものではない』ですよね。

 

\displaystyle \hat{n}=\begin{pmatrix} 0&0&0&0&\cdots \\ 0&1&0&0&\cdots\\ 0&0&2&0&\cdots\\ 0&0&0&3&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots& \end{pmatrix}

 

個数がこのようになるのは自然な感覚です。

この時点では、特に見るところはありません。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \langle n|\hat{n}|n\rangle&=n \\ \\\displaystyle \langle n|\hat{n}|n\rangle&=\langle n|\hat{a}^{\dagger}\hat{a}|n\rangle \\ \\ &=|| \hat{a}|n\rangle ||^2≥0 \end{array}

 

念のため確認しておくと、

このようにできるので、

整数 n0 以上に限定できます。

 

 

まあともかく、

これを「個数として定義する」のが自然な感覚だ、

って思えたなら、以降の話が分かると思います。

 

 

 

というわけで話を進めると、

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \langle n|\hat{n}|n\rangle&=\langle n|\hat{a}^{\dagger}\hat{a}|n\rangle \\ \\ &=\langle n|\hat{a}^{\dagger}\textcolor{pink}{\hat{a}|n\rangle} \end{array}

 

この部分、どうですか?

なんかよくわかりませんよね。

 

 

とりあえず式変形をすると出てきましたが、

なんなんでしょうか、これ \hat{a}|n\rangle

 

 

この「ベクトル \hat{a}|n\rangle 」の具体的な形と、

「演算子(行列) \hat{a} 」の中身、

この2つ、この時点じゃ導けませんよね?

 

 

 

ただ、個数演算子の期待値を間に挟むことで、

このように表すことはできそうですから、

 

\displaystyle \hat{a}|n\rangle=c|n+α\rangle

 

「固有値 c 」と「 α 」が分かれば、

演算子の中身を求められそうな感じがします。

 

 

とはいえこの時点では、

まだほとんどとっかかりがありません。

 

 

どうやって求めればいいかを考えようにも、

材料が不足しています。

 

 

 

 

 

\hat{a} の性質

 

分からないものは分からないので、

とりあえず「 \hat{a} 」の性質を調べてみます。

 

 

具体的には↓がどうなるのかを考えてみます。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{a}^{\dagger}\hat{a}&=\hat{n} \\ \\ \displaystyle \hat{a}\hat{a}^{\dagger}&=\,\,? \end{array}

 

てなわけで、これを確認するために、

手段の一つである「交換関係」を考えてみます。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle [\hat{a},\hat{a}^{\dagger}]&=\hat{a}\hat{a}^{\dagger}-\hat{a}^{\dagger}\hat{a} \\ \\ &\displaystyle =\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( x+\frac{i}{mω}p \right)\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( x-\frac{i}{mω}p \right)\\ \\&\displaystyle \,\,\,\,\, -\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( x-\frac{i}{mω}p \right)\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( x+\frac{i}{mω}p \right) \\ \\ \\ &\displaystyle =\frac{mω}{2ℏ}\left( x+\frac{i}{mω}p \right)\left( x-\frac{i}{mω}p \right)\\ \\&\displaystyle \,\,\,\,\, -\frac{mω}{2ℏ}\left( x-\frac{i}{mω}p \right)\left( x+\frac{i}{mω}p \right) \end{array}

 

ごちゃごちゃしてますね。

分けて整理してから考えてみましょうか。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \hat{a}^{\dagger}\hat{a} &\displaystyle =\frac{mω}{2ℏ}\left( \hat{x}^2 + \frac{1}{m^2ω^2}\hat{p}^2+\frac{i}{mω}\hat{x}\hat{p}-\frac{i}{mω}\hat{p}\hat{x}\right) \\ \\ &\displaystyle =\frac{mω}{2ℏ}\left( \hat{x}^2 + \frac{1}{m^2ω^2}\hat{p}^2+\frac{i}{mω}[\hat{x},\hat{p}]\right)\end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \hat{a}\hat{a}^{\dagger} &\displaystyle =\frac{mω}{2ℏ}\left( \hat{x}^2 + \frac{1}{m^2ω^2}\hat{p}^2-\frac{i}{mω}\hat{x}\hat{p}+\frac{i}{mω}\hat{p}\hat{x}\right) \\ \\ &\displaystyle =\frac{mω}{2ℏ}\left( \hat{x}^2 + \frac{1}{m^2ω^2}\hat{p}^2-\frac{i}{mω}[\hat{x},\hat{p}]\right)\end{array}

 

するとまあ、こうなりますから、

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{a}\hat{a}^{\dagger}-\hat{a}^{\dagger}\hat{a} &\displaystyle =\frac{mω}{2ℏ}\left( -\frac{i}{mω}[\hat{x},\hat{p}]-\frac{i}{mω}[\hat{x},\hat{p}]\right) \\ \\ &\displaystyle =\frac{mω}{2ℏ}\left( -\frac{i}{mω}iℏ-\frac{i}{mω}iℏ\right) \\ \\ \\ &\displaystyle =\frac{mω}{2ℏ}\left( \frac{2ℏ}{mω}\right)\\ \\ &\displaystyle =1 \end{array}

 

結果、こうなります。

 

 

まとめると、こいつは↓になるんですね。

 

\displaystyle [\hat{a},\hat{a}^{\dagger}]=1

 

んでこれからわかることとして、

↓の関係が導けます。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{a}\hat{a}^{\dagger}-\hat{a}^{\dagger}\hat{a}&=1 \\ \\ \hat{a}^{\dagger}\hat{a}&=\hat{a}\hat{a}^{\dagger}-1 \end{array}

 

この時点じゃこれはまだ無意味ですけど、

実はこれが最大のヒント、とっかかりになります。

 

 

 

 

 

消滅生成演算子の要素

 

この段階では『予想』に過ぎませんが、

「求めたい固有ベクトルの具体的な形」を考えると、

↓の式変形に、意味が生まれそうな気がしませんか?

 

\displaystyle \begin{array}{llc} \displaystyle \hat{n}|n\rangle&=n|n\rangle \\ \\ \\ \hat{n}\hat{a}|n\rangle&=(\hat{a}^{\dagger}\hat{a})\hat{a}|n\rangle \\ \\ \\ &=(\hat{a}\hat{a}^{\dagger}-1)\hat{a}|n\rangle \\ \\ &=\hat{a}\hat{a}^{\dagger}\hat{a}|n\rangle-\hat{a}|n\rangle \\ \\ \\ &=\hat{a}\hat{n}|n\rangle-\hat{a}|n\rangle \\ \\ &=\hat{a}n|n\rangle-\hat{a}|n\rangle \\ \\ \\ &=(n-1)\hat{a}|n\rangle \end{array}

 

と言うのも、このように変形していくと、

「固有ベクトルのようなベクトル \hat{a}|n\rangle 」が、

「固有値のような値 n-1 」を取り出すことがわかります。

 

\displaystyle \begin{array}{llc} \displaystyle \hat{n}\hat{a}|n\rangle&=(n-1)\hat{a}|n\rangle \\ \\ \hat{n}|n-1\rangle&=(n-1)|n-1\rangle \end{array}

 

そう、つまりこの式変形は、結果的に、

「ベクトル \hat{a}|n\rangle 」の『役割』が、

「固有ベクトル |n-1\rangle 」とそっくりなことを示すんです。

 

 

実際、同じ定数を取り出せることは確かなので、

↑の式変形が示す事実から、

少なくとも↓は正しいと言えるじゃないですか。

 

\begin{array}{llc} \displaystyle (n-1)\frac{\hat{a}|n\rangle}{α}&=(n-1)|n-1\rangle \\ \\ \displaystyle (n-1)\hat{a}|n\rangle&=(n-1)α|n-1\rangle \end{array}

 

とはいえ「演算子 \hat{a} が作用した |n\rangle 」と

|n-1\rangle 」は同じとは限らないですから、

『違い』として α っていう定数を考える必要が。

 

 

整理すると、↓の関係が導けるので、

 

\displaystyle \begin{array}{rrr} \displaystyle (n-1)\hat{a}|n\rangle&=&(n-1)α|n-1\rangle \\ \\ \hat{a}|n\rangle&=&α|n-1\rangle \end{array}

 

違い α を求めれば、

求めたい \hat{a}|n\rangle が求められそうじゃないですか?

 

 

 

はい、というわけなので、

これを求めるために↓を考えてみます。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \langle n|\hat{n}|n\rangle &=n \\ \\ \displaystyle \langle n|\hat{n}|n\rangle &=\langle n|\hat{a}^{\dagger}\hat{a}|n\rangle \\ \\ &=|| \hat{a}|n\rangle ||^2 \\ \\ &=n \end{array}

 

この材料を使って計算してみれば、

なんかいけそうな気がしませんか?

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle || \hat{a}|n\rangle ||^2&=|| α|n-1\rangle ||^2 \\ \\ &=\langle n-1|α^* α|n-1\rangle \\ \\ \\ &=α^* α\langle n-1|n-1\rangle\\ \\ &=|α|^2\\ \\ \\ \langle n|\hat{n}|n\rangle &=|| \hat{a}|n\rangle ||^2 \\ \\ &=|α|^2 \\ \\ &=n \\ \\ \\ α&=\sqrt{n} \end{array}

 

行けましたね。 α が求まりました。

 

 

 

まとめると \hat{a}|n\rangle は↓です。

 

\displaystyle \hat{a}|n\rangle=\sqrt{n}|n-1\rangle

 

となれば、行列の要素は↓ってことになります。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{a}|0\rangle&=\sqrt{0}|x\rangle \\ \\\hat{a}|1\rangle&=\sqrt{1}|0\rangle \\ \\ \hat{a}|2\rangle&=\sqrt{2}|1\rangle \\ \\ \hat{a}|3\rangle&=\sqrt{3}|2\rangle\\ \\ \hat{a}|4\rangle&=\sqrt{4}|3\rangle\\ \\ \hat{a}|5\rangle&=\sqrt{5}|4\rangle \\ \\ \vdots \end{array}

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{a}&= \begin{pmatrix} \sqrt{0}|x\rangle&\sqrt{1}|0\rangle&\sqrt{2}|1\rangle&\sqrt{3}|2\rangle&\cdots \end{pmatrix} \\ \\ &=\begin{pmatrix} *&\sqrt{1}&0&0&0&0&\cdots \\ *&0&\sqrt{2}&0&0&0&\cdots\\ *&0&0&\sqrt{3}&0&0&\cdots\\ *&0&0&0&\sqrt{4}&0&\cdots\\ *&0&0&0&0&\sqrt{5}&\cdots \\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \\ \\ \end{array}

 

概ね分かりましたが、

\hat{a}|0\rangle 」の場合はよくわかりませんね。

 

 

まあ放置できませんし、

ちゃんと求めるわけですが、

 

\displaystyle \begin{array}{rll} \displaystyle \hat{a}|0\rangle&=0|x\rangle \\ \\ &=\vec{0}\\ \\&=\begin{pmatrix} 0\\0\\0\\ \vdots \end{pmatrix} \end{array}

 

そんなに難しく考える必要はありません。

なにせ『固有ベクトルが何でも 0 を返す』わけですから、

 

\displaystyle \hat{a}=\begin{pmatrix} 0&\sqrt{1}&0&0&0&0&\cdots \\ 0&0&\sqrt{2}&0&0&0&\cdots\\ 0&0&0&\sqrt{3}&0&0&\cdots\\ 0&0&0&0&\sqrt{4}&0&\cdots\\ 0&0&0&0&0&\sqrt{5}&\cdots \\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix}

 

これ以外に無いことが分かります。

 

 

なぜかというと、「固有ベクトル」は

\vec{0} ではない』という制限を持ってますから、

固有値が 0 になるにはこうするしかないんです。

 

 

 

はい、とまあ長かったですが、

これで「行列表示」の作業は終わり。

 

 

他の行列は、これを変形すれば求められます。

例えば「 \hat{a}^{\dagger} 」は↓ですね。

 

\displaystyle \hat{a}^{\dagger}=\begin{pmatrix} 0&0&0&0&0&0&\cdots \\ \sqrt{1}&0&0&0&0&0&\cdots\\ 0&\sqrt{2}&0&0&0&0&\cdots\\ 0&0&\sqrt{3}&0&0&0&\cdots\\ 0&0&0&\sqrt{4}&0&0&\cdots \\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix}

 

\hat{a} 」と同様に、

『固有状態(ベクトル)』に作用させると、

『固有値の増減』が行われます。

 

 

「生成」とか「消滅」の由来はこれ。

 

 

個数の減少「 \hat{a} 」が消滅演算子 n-1 で、

個数の増加「 \hat{a}^{\dagger} 」が生成演算子 n+1 になります。

 

 

 

 

 

調和振動子の位置・運動量演算子

 

↑を使えば、この『物理量演算子』は簡単に求まります。

てなわけで早速求めてみましょうか。

 

\displaystyle \left\{\begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{a}&\displaystyle =\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( \hat{x}+\frac{i}{mω}\hat{p} \right) \\ \\ \hat{a}^{\dagger}&\displaystyle =\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( \hat{x}-\frac{i}{mω}\hat{p} \right) \end{array}\right.

 

やることは、これを変形するだけ。

 

\displaystyle \left\{\begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{a}+\hat{a}^{\dagger}&\displaystyle =\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( 2\hat{x} \right) \\ \\ \hat{a}-\hat{a}^{\dagger}&\displaystyle =\sqrt{\frac{mω}{2ℏ}}\left( \frac{2i}{mω}\hat{p} \right) \end{array}\right.

 

\displaystyle \left\{\begin{array}{rlc} \displaystyle \sqrt{\frac{2ℏ}{mω}}(\hat{a}+\hat{a}^{\dagger})&\displaystyle =2\hat{x} \\ \\ \displaystyle\sqrt{\frac{2ℏ}{mω}}(\hat{a}-\hat{a}^{\dagger})&\displaystyle =\frac{2i}{mω}\hat{p} \end{array}\right.

 

\displaystyle \displaystyle \left\{\begin{array}{rlc} \displaystyle \sqrt{ℏω\frac{1}{2mω^2}}(\hat{a}+\hat{a}^{\dagger})&\displaystyle =\hat{x} \\ \\ \displaystyle -i\sqrt{ℏω\frac{m}{2}}(\hat{a}-\hat{a}^{\dagger})&\displaystyle =\hat{p} \end{array}\right.

 

生成消滅演算子がわかってるので簡単に求まります。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{x}&\displaystyle =\sqrt{ℏω\frac{1}{2mω^2}}\begin{pmatrix} 0&\sqrt{1}&0&0&0&\cdots \\ \sqrt{1}&0&\sqrt{2}&0&0&\cdots\\ 0&\sqrt{2}&0&\sqrt{3}&0&\cdots\\ 0&0&\sqrt{3}&0&\sqrt{4}&\cdots\\ 0&0&0&\sqrt{4}&0&\cdots \\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \\ \\ \displaystyle \hat{p}&\displaystyle =-i\sqrt{ℏω\frac{m}{2}}\begin{pmatrix} 0&\sqrt{1}&0&0&0&\cdots \\ -\sqrt{1}&0&\sqrt{2}&0&0&\cdots\\ 0&-\sqrt{2}&0&\sqrt{3}&0&\cdots\\ 0&0&-\sqrt{3}&0&\sqrt{4}&\cdots\\ 0&0&0&-\sqrt{4}&0&\cdots \\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \end{array}

 

位置演算子と運動量演算子はこんな感じです。

初見だと、これはマジで意味わからんと思います。

 

 

 

 

 

エネルギー固有値で検算

 

ここでは、↑のやつがちゃんとあってるか、

↓を使って確認しておく感じです。

 

\displaystyle E=\frac{1}{2m}\hat{p}^2+\frac{1}{2}mω^2\hat{x}^2

 

複雑になりそうなので、

1つずつ見ていきましょうか。

 

\displaystyle \hat{x}^2=ℏω\frac{1}{2mω^2}\begin{pmatrix} 0&\sqrt{1}&0&0&\cdots \\ \sqrt{1}&0&\sqrt{2}&0&\cdots\\ 0&\sqrt{2}&0&\sqrt{3}&\cdots\\ 0&0&\sqrt{3}&0&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix}^2

 

\displaystyle \begin{array}{llc} \displaystyle \begin{pmatrix} 0&\sqrt{1}&0&0&\cdots \\ \sqrt{1}&0&\sqrt{2}&0&\cdots\\ 0&\sqrt{2}&0&\sqrt{3}&\cdots\\ 0&0&\sqrt{3}&0&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix}\begin{pmatrix} 0&\sqrt{1}&0&0&\cdots \\ \sqrt{1}&0&\sqrt{2}&0&\cdots\\ 0&\sqrt{2}&0&\sqrt{3}&\cdots\\ 0&0&\sqrt{3}&0&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \\ \\ =\begin{pmatrix} \sqrt{1}\sqrt{1}&0&\sqrt{1}\sqrt{2}&0&\cdots \\ 0&\sqrt{1}\sqrt{1}+\sqrt{2}\sqrt{2}&0&\sqrt{2}\sqrt{3}&\cdots\\ \sqrt{2}\sqrt{1}&0&\sqrt{2}\sqrt{2}+\sqrt{3}\sqrt{3}&0&\cdots\\ 0&\sqrt{3}\sqrt{2}&0&\sqrt{3}\sqrt{3}+\sqrt{4}\sqrt{4}&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \\ \\ =\begin{pmatrix} 1&0&\sqrt{2}&0&\cdots \\ 0&3&0&\sqrt{6}&\cdots\\ \sqrt{2}&0&5&0&\cdots\\ 0&\sqrt{6}&0&7&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix}\end{array}

 

\displaystyle \hat{x}^2=ℏω\frac{1}{2mω^2}\begin{pmatrix} 1&0&\sqrt{2}&0&\cdots \\ 0&3&0&\sqrt{6}&\cdots\\ \sqrt{2}&0&5&0&\cdots\\ 0&\sqrt{6}&0&7&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix}

 

運動量については符号の位置を考えればいいだけ。

なので計算結果は↓になります。

 

\displaystyle \begin{array}{llc} \displaystyle \begin{pmatrix} 0&\sqrt{1}&0&0&\cdots \\ -\sqrt{1}&0&\sqrt{2}&0&\cdots\\ 0&-\sqrt{2}&0&\sqrt{3}&\cdots\\ 0&0&-\sqrt{3}&0&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix}\begin{pmatrix} 0&\sqrt{1}&0&0&\cdots \\ -\sqrt{1}&0&\sqrt{2}&0&\cdots\\ 0&-\sqrt{2}&0&\sqrt{3}&\cdots\\ 0&0&-\sqrt{3}&0&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \\ \\ =\begin{pmatrix} -1&0&\sqrt{2}&0&\cdots \\ 0&-3&0&\sqrt{6}&\cdots\\ \sqrt{2}&0&-5&0&\cdots\\ 0&\sqrt{6}&0&-7&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix}\end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \hat{p}^2&\displaystyle =\left(-i\sqrt{ℏω\frac{m}{2}}\right)^2\begin{pmatrix} -1&0&\sqrt{2}&0&\cdots \\ 0&-3&0&\sqrt{6}&\cdots\\ \sqrt{2}&0&-5&0&\cdots\\ 0&\sqrt{6}&0&-7&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \\ \\ &\displaystyle =-ℏω\frac{m}{2}\begin{pmatrix} -1&0&\sqrt{2}&0&\cdots \\ 0&-3&0&\sqrt{6}&\cdots\\ \sqrt{2}&0&-5&0&\cdots\\ 0&\sqrt{6}&0&-7&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \end{array}

 

これを整理して計算すると、

きれいにエネルギー演算子の行列表示が求まります。

 

\displaystyle \left\{\begin{array}{rlc} \displaystyle \hat{x}^2&\displaystyle=ℏω\frac{1}{2mω^2}\begin{pmatrix} 1&0&\sqrt{2}&0&\cdots \\ 0&3&0&\sqrt{6}&\cdots\\ \sqrt{2}&0&5&0&\cdots\\ 0&\sqrt{6}&0&7&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \\ \\ \hat{p}^2&\displaystyle =-ℏω\frac{m}{2}\begin{pmatrix} -1&0&\sqrt{2}&0&\cdots \\ 0&-3&0&\sqrt{6}&\cdots\\ \sqrt{2}&0&-5&0&\cdots\\ 0&\sqrt{6}&0&-7&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \end{array}\right.

 

\displaystyle \displaystyle \left\{\begin{array}{rlc} \displaystyle \frac{1}{2}mω^2\hat{x}^2&\displaystyle=\frac{1}{2}mω^2ℏω\frac{1}{2mω^2}\begin{pmatrix} 1&0&\sqrt{2}&0&\cdots \\ 0&3&0&\sqrt{6}&\cdots\\ \sqrt{2}&0&5&0&\cdots\\ 0&\sqrt{6}&0&7&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \\ \\\displaystyle \frac{1}{2m}\hat{p}^2&\displaystyle =-\frac{1}{2m}ℏω\frac{m}{2}\begin{pmatrix} -1&0&\sqrt{2}&0&\cdots \\ 0&-3&0&\sqrt{6}&\cdots\\ \sqrt{2}&0&-5&0&\cdots\\ 0&\sqrt{6}&0&-7&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \end{array}\right.

 

\displaystyle \left\{\begin{array}{rlc} \displaystyle \frac{1}{2}mω^2\hat{x}^2&\displaystyle=\frac{1}{2}ℏω\frac{1}{2}\begin{pmatrix} 1&0&\sqrt{2}&0&\cdots \\ 0&3&0&\sqrt{6}&\cdots\\ \sqrt{2}&0&5&0&\cdots\\ 0&\sqrt{6}&0&7&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \\ \\\displaystyle \frac{1}{2m}\hat{p}^2&\displaystyle =\frac{1}{2}ℏω\frac{1}{2}\begin{pmatrix} 1&0&-\sqrt{2}&0&\cdots \\ 0&3&0&-\sqrt{6}&\cdots\\ -\sqrt{2}&0&5&0&\cdots\\ 0&-\sqrt{6}&0&7&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \end{array}\right.

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \frac{1}{2m}\hat{p}^2+\frac{1}{2}mω^2\hat{x}^2&\displaystyle =ℏω\frac{1}{2}\begin{pmatrix} 1&0&0&0&\cdots \\ 0&3&0&0&\cdots\\ 0&0&5&0&\cdots\\ 0&0&0&7&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \\ \\ &\displaystyle =ℏω\begin{pmatrix} \displaystyle\frac{1}{2}&0&0&0&\cdots \\ 0&\displaystyle 1+\frac{1}{2}&0&0&\cdots\\ 0&0&\displaystyle 2+\frac{1}{2}&0&\cdots\\ 0&0&0&\displaystyle 3+\frac{1}{2}&\cdots\\ \vdots&\vdots&\vdots&\vdots \end{pmatrix} \end{array}

 

問題はなさそうですね。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \displaystyle H&\displaystyle =ℏω\left(\hat{a}^{\dagger}\hat{a}+\frac{1}{2}\right) \\ \\ &\displaystyle =ℏω\left(\hat{n}+\frac{1}{2}\right) \\ \\ \\ E&\displaystyle =\frac{1}{2m}\hat{p}^2+\frac{1}{2}mω^2\hat{x}^2\end{array}

 

ちゃんと方程式の形を導けています。

 

 

 

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