量子力学の基本的な知識を解説


|| 超小さいものを確率的に扱う理論

これは「超小さいものの性質をまとめた理論」です。

より厳密には『粒と波の性質を持ったもの』を扱います。

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目次

 

量子「粒子と波の性質を持ってるやつ」

 

   光量子仮説「光は波だけど粒子でもあるんじゃ?」

   ボーアの量子条件「電子も量子なんじゃね?→正解」

   物質波「そもそも物質も量子じゃね?→正解」

 

 

ヒルベルト空間「数学がちゃんとできる保証」

 

   内積空間「行列をスカラー値にする」

   行列「物理量とかをこれで表す」

   行列表示「関数やら演算子は行列で表せる」

 

 

エルミート演算子「観測可能量はこれで表す」

 

   固有値方程式「基礎方程式はこれ」

   三角行列「固有値を求めやすい形の行列」

   ユニタリ行列「かなり 1 っぽい行列」

 

   ディラック記法「縦と横のベクトルを区別して書く」

 

   エルミート演算子の性質「固有値が実数になる」

 

 

行列表示で使うもの「規格化直交系とか個数演算子とか」

 

   展開係数「正規直交系だと確率っぽいやつ」

   要素の求め方「フーリエ級数の係数の求め方と一緒」

   生成消滅演算子「個数演算子から得られた基準」

 

   交換関係「内積部分を比較するやつ」

   生成消滅演算子の要素「交換関係でごちゃ」

   物理量演算子の要素「個数演算子でごちゃ」

 

 

最小作用の原理「実際に起こる現象は最短のやつだけ」

 

   微分「傾き・変化量を求めるやつ」

   変分法「複雑な関数の最小・最大を求める方法」

   偏微分「多変数関数での微分」

 

   ラグランジアン「位置・速度を変数に持つ関数」

   ラグランジュの運動方程式「変分法の便利な公式」

   ベルトラミの公式「↑のより具体的な形」

 

 

波動関数「波っぽい確率のようななにか (?)」

 

   「超単純→動く→その場のやつの解説」

   波動方程式「波が満たすべき基準」

   ボルンの規則「波動関数の解釈」

 

 

基礎方程式「エネルギー保存則を拡張してみた」

 

   ハミルトニアン「エネルギー全体を表す時に使う関数」

   一般化「時間による変化も含んだ形」

 

   波動関数の解釈「ボルンの規則の意味」

   井戸型ポテンシャル「超単純な状況」

 

 

不確定性原理「同時に確定しない」

 

   ロバートソンの不等式「不確定性関係に関わる式」

   小澤の不等式「不確定性関係の厳密な式」

 

 

観測可能量「測定できるもの(位置・エネルギーとか)」

 

   観測「確定→観測 × 観測→確定〇」

   量子状態「純粋状態とか混合状態とか」

   密度演算子「確率を並べた感じのやつ」

 

 

時間発展「時間による変化のこと」

 

   時間発展演算子「ユニタリ演算子だと都合が良い」

 

 

大まかなまとめ

 

 

 

 

 


 

この記事では、量子力学をめっちゃ丁寧に解説します。

なので、ちょっと(?)長いです。

 

 

一応、高校物理の範囲はできるだけ省略して、

省略しないと長くなり過ぎる部分もカットしてます。

 

 

科学の基本的な知識」に書いてるのも基本的にカット。

ほぼ必須な「フーリエ級数」もカットです。

 

 

続いて当然、「テイラーの定理」もカットです。

近似とか「オイラーの公式」で見るやつなんですが。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle f(x)&\displaystyle =\sum_{k=0}^{\infty}\frac{1}{k!}f^{k}(a)(x-a)^k \\ \\ \displaystyle f(x)&\displaystyle =f(0)x^0+f^{\prime}(0)x^1+\frac{1}{2!}f^{\prime\prime}(0)x^2+\cdots \end{array}

 

↑がテイラー展開とマクローリン展開( a=0 )で、

↓がオイラーの定理です。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \cos x&\displaystyle=\cos 0+(-\sin 0)x+\frac{1}{2!}(-\cos 0)x^2+\cdots \\ \\ &\displaystyle=1+0x-\frac{1}{2!}x^2+0x^3+\frac{1}{4!}x^4+0x^5+\cdots \\ \\ &\displaystyle=1-\frac{1}{2!}x^2+\frac{1}{4!}x^4-\frac{1}{6!}x^6+\cdots \end{array}

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} \sin x&\displaystyle=\sin 0+(\cos 0)x+\frac{1}{2!}(-\sin 0)x^2+\cdots \\ \\ &\displaystyle=0+x+0x^2-\frac{1}{3!}x^3+0x^4+\frac{1}{5!}x^5+\cdots \\ \\ &\displaystyle=x-\frac{1}{3!}x^3+\frac{1}{5!}x^5-\frac{1}{7!}x^7+\cdots \end{array}

 

\displaystyle e^x=1+x+\frac{1}{2!}x^2+\frac{1}{3!}x^3+\frac{1}{4!}x^4+\frac{1}{5!}x^5+\cdots

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} e^{ix}&\displaystyle=1+ix+\frac{1}{2!}(ix)^2+\frac{1}{3!}(ix)^3+\frac{1}{4!}(ix)^4+\frac{1}{5!}(ix)^5+\cdots \\ \\ &\displaystyle=1+\textcolor{skyblue}{i}x-\frac{1}{2!}x^2-\textcolor{skyblue}{i}\frac{1}{3!}x^3+\frac{1}{4!}x^4+\textcolor{skyblue}{i}\frac{1}{5!}x^5-\cdots \\ \\ &\displaystyle=\cos x+\textcolor{skyblue}{i}\sin x \end{array}

 

これはちゃんとやると証明がクソ長くなるのでカット。

流れは「平均値」→「ロール」→「最大値最小値」

  →「極限の性質/定義」→「極限集合」って感じ。

 

 

 

それと、ここでは「スカラー値」って言葉も使ってます。

字面じゃ意味わかんないと思いますが、

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle -1&0&1&2&100&a&x&\mathrm{etc...} \\ \\ &&&(0,1)&(1,10)&\vec{a}&\vec{x}&\mathrm{etc...} \\ \\ &&&\begin{pmatrix} 1&0\\0&1 \end{pmatrix}&\begin{pmatrix} 1&2&3\\4&5&6\\7&8&9 \end{pmatrix}&\hat{A}&\hat{X}&\mathrm{etc...} \end{array}

 

これはこれらの区別をするための言葉でして、

上から「スカラー・ベクトル・行列」と呼ばれてます。

この辺りの詳細もカット。

 

 

 

とまあいろいろ省いてますが、

それでも長いですね。

 

 

「量子」の意味に始まって、

その解釈やらなんやら。

 

 

そして肝心の『使われてる数学の記号の意味』とか。

『使われてる用語の意味』とか。

 

 

これを丁寧に解説していくと、

やっぱどうしても長くなっちゃいます。

 

 

 

でもまあ、分かるようには書いたつもりです。

なので、良ければ参考にしてください。

 

 

 

 

 


量子

 

|| 粒でもあり波でもあるもの

『量子』っていうのは「めっちゃ小さな粒子の総称」で、

『粒子と波の性質を両方とも持ってるもの』のことです。

 

 

具体的には「原子・陽子・中性子」とか、

素粒子の「光子・電子など」がこれ。

 

 

 

それと「粒子」と「波」ですが、

「粒子」ってのは、例えば玉みたいなやつで、

「波」は、例えば水面で広がってくあれ、ですね。

 

 

見た目には、明らかに同じものではありません。

 

 

実際、普通はこれを分けて考えます。

というのも、例えば「玉(粒子)」は、

『周りに広がってはいかない』ですよね?

 

 

しかし「波」は周りに広がっていきますし、

粒子のように『1か所に留まり続けない』じゃないですか。

 

 

まあつまりはそういうことでして、

基本的に、粒子性と波動性は分けて考えられるんです。

両方持つってのは、直観的には変ですから。

 

 

 

しかし、実験してみたり計算してみたりすると、

どうにも『どっちも持ってるっぽいやつ』がある、と。

 

 

具体的には、「光」は『波』だって思ってたけど、

「粒子」でもあるよね? ってなったわけです。

実験してみた結果。(光電効果・コンプトン効果などの実験)

 

 

で、最初に『光量子仮説』(後述)が得られて、

続いて『電子もそうじゃね?』(後述)ってなって、

これらの仮説が量子力学のスタート地点になった、って感じ。

 

 

 

 

 

量子化

 

|| 量子みたいな感じにする

どうも「量子」は『連続的な値にならない』っぽい?

まあつまり、とる値は「飛び飛び」じゃね? と。

 

 

具体的には、その数値がとる範囲ってのが、

0≤x<∞ 」みたいな感じじゃなくて、

e,2e,3e,...,ne,... 」みたいになる、って話です。

 

 

実際、実験した結果、

こういう飛び飛びの値しかとらないことが分かってます。

 

 

 

んで、『量子化』ってのは、

要は「こうする」ってことでして、

 

 

厳密な言い回しだと、

「離散的にする」ってことを指してます。

感覚的には「粒々でできてるってことにする」感じですね。

 

 

具体的には、例えば「デジタル音声」とか、

他にも「デジタル画像」とかは、

『量子化されたもの』です。

 

 

 

まああれです。この世界のものっていうのは、

なんか、めちゃくちゃ密度が高いというか、

いろんなものが繋がってるように見えるじゃないですか。

 

 

例えば「音」「映像」とかも、

『実際のもの』と『デジタル』じゃ、違うじゃないですか。

現代では「見分けがつかない」ですけど。

 

 

まあ要はこういうことでして、

音なら『1つの音の集まりにする』こと。

映像なら『秒間に数十枚の絵に分ける』こと。

 

 

こういうのを「量子化」って言うんですね。

 

 

そう、つまり「繋がってるように見えるもの」を、

「有限の繋がってないもので表す」こと。

これが量子化なんです。

 

 

 

話は変わりますが、

「量子力学」っていうのは、

根本的にはこの感覚が主軸になっています。

 

 

まあつまり量子力学では、

いろんなものを『飛び飛びのもの』で考えるんです。

実際、エネルギーとかは実験するとそうなっちゃうので。

 

 

具体的な話としては、

「水素原子のエネルギーの値」とかは、

『連続的な値をとらない』で「飛び飛び」になります。

 

 

まあつまり何が言いたいかと言うと、

「これを説明する理屈」っていうのは、

こういうことが『出来ることが求められる』って話です。

 

 

数式的な話では、これを念頭に置いといてください。

まあ、他にも実現したい性質はあるんですが、

その辺りの話は、後でやります。

 

 

 

 

 


光量子仮説

 

|| 光って波だけど、粒子でもあるっぽい?

これは『光は量子だ』っていう『実証された仮説』で、

量子力学の基礎の1つになります。

 

 

ざっくり話すと、これは『光電効果』っていう、

「光を当てると電流が流れる」っていう現象から、

『光のエネルギーについての仮説』が得られた、って話で、

 

e_{\mathrm{photon}}=hν

 

『光子1個のエネルギー』がこんな感じに推定されたんです。

h はプランク定数」「 ν は周波数」になります。

 

 

 

まあ、これだけじゃ へー で終わるので、

もうちょい具体的な話をすると、

 

 

まず、光が「波」であることは経験的に明らかです。

例えば、暗いところに光が入るとき、

一直線だけじゃなく、周りにも広がっていきますよね? 

 

 

つまり光が波なのは、ほぼ確定なんです。

 

 

しかし、ここで問題が出てくるんです。

というのも、波の性質だけじゃ、

『光電効果』を説明できないんですよ。

 

 

 

ただまあ、そもそも『光電効果』ってなに?

って話でしょうから、その説明をすると、

 

 

これは「光をあてると電流が流れる」現象のことで、

具体的には『光が物質から電子を弾き飛ばしてる』のが、

光電効果っていう現象の説明になります。

 

 

ただ、これだと玉と玉の衝突なんで、

粒子の振る舞いを前提とした説明です。

 

 

まあつまり、仮説が実証される前は、

このように考えられてはいません。

 

 

そう、仮説が浮上する前までは、

どうにか「波の性質だけ」で、

これを説明しようとしていたんです。

 

 

しかし、うまく説明できなかったんですよ。

具体的には『電子が出ちゃう条件』ってのが、

なんか変なんです。

 

 

というのも、電子が飛び出ている以上、

「エネルギーが発生した」ことは明らか。

 

 

そして光が波なら『強さ』は「振幅」に由来するはず。

具体的には『振幅の2乗』でエネルギーが与えられるはず。

(振幅については、「波の高さ」だと思ってください。)

 

 

しかし実際に実験してみると、

「振幅の小さな青い光」で電流が流れるのに、

なぜか「振幅の大きな赤い光」では電流が流れない。

 

 

こりゃおかしい。

強い光(赤)だとダメで、弱い光(青)はOK?

なんでこうなるのか、説明ができない。

 

 

そんな感じだったんです。

まあですから、これを説明するための、

『仮説』が必要になったんですよ。

 

 

てことで、アインシュタインさんが

「光って粒子でもあるんじゃね?」と、

そう↑の『仮説』を立てて説明してみると、あら不思議。

 

 

『周波数の大きな光』をあてると、

『より勢いよく電子が飛び出してくる』ことは、

実験結果から明らか。

 

 

だから、光は『粒としての力』も持っていて、

『光のエネルギー』は、周波数に依存するから、

 

 

「周波数の大きい青色の光 600–667\,\mathrm{THz} 」だと飛び出すけど、

「周波数が小さい赤色の光 405–480\,\mathrm{THz} 」だと飛び出さない。

 

 

これで説明が出来ちゃいました。

んで、実際に検証してみても、

矛盾を示す実験結果は出なかったんです。

 

 

実際、この仮説の発想の元になった、

『光の周波数を大きくする』と、

「電子のエネルギーが増す」って現象は確認されてました。

 

 

 

そう、『波の強さ』とは関係なく、

その強さは「周波数」に依存して、

 

 

『電子にぶつかっていた』とすると、

うまく説明できちゃったんですね。

 

 

とまあ、こうして『光は粒子でもあるんじゃね?』は、

『仮説』から『矛盾が見つからない仮説』になったんです。

 

\displaystyle \begin{array}{rlc} e_{\mathrm{photon}}&=hν \\ \\ E_{\mathrm{photon}}=ne_{\mathrm{photon}}&=nhν \end{array}

 

んで、この『光子のエネルギー』を定める仮説は、

以降、正しいものとして扱われるようになりました。

 

 

 

 

 

ボーアの量子条件

 

|| 光子以外にも、例えば電子って量子じゃね?

これは『電子が量子だってことを示す条件』のことで、

「原子の形」と一緒に、ボーアさんが発見しました。

 

 

これは厳密には、

『電子が存在できる軌道(電子殻)の条件』でして、

『角運動量は整数倍』って感じで表現されています。

 

 

数式としては↓みたいな感じです。

 

\begin{array}{rlr} \displaystyle m_erv&=m_er^2ω&(v=rω) \\ \\ & =\textcolor{pink}{n}ℏ&\displaystyle\left( ℏ=\frac{h}{2π} \right) \end{array}

 

mv^2 」の単位はジュール( \mathrm{J} )。

『角運動量』はそれを「 ω\,\,\,(\mathrm{rad/s}) 」で割ってるんですが、

まあそう言われてもよく分からんですよね。

 

 

これについて説明すると、

まあ一言で言うなら『回転』の話でして、

『半径』と『速度』の関係を表してる、って感じです。

 

 

 

見た目の上では、

例えば「手を広げた状態の回転」から、

「手を組んだ状態の回転に変える」と、

 

 

遠心力の強さが変わって、

『回転速度が変わる』じゃないですか。

 

 

他にも「太いもの」よりも、

「細いもの」の方が『回しやすい』ですよね?

 

 

そう、つまるところ、

これは回転の『軌道半径』を変化させる場合に、

『円運動の速度が変わるのはなんでだろ』って話で、

 

 

この時に『一定に保たれているように見えるもの』を、

「角運動量」あるいは「面積速度」って呼ぶんです。

 

 

この『保たれている量』については、

「ケプラーの第2法則」なんて呼ばれ方もあります。

 

 

 

 

 

量子条件の導出

 

これの導出、およびこじつけに関しては、

『電子の n 番目の軌道半径』から、

「角運動量」をそのまま求めると、導ける感じです。

 

\displaystyle r_n=\frac{ε_0h^2}{πm_e e^2}n^2

 

この「電子の軌道半径」の導出は↓で行うので、

とりあえずこうだってことを飲み込んでもらって、

まず『遠心力』と『クーロン力』の釣り合いから、

 

\begin{array}{rlr} \displaystyle m_er_nω_{n}^{2}&\displaystyle =k\frac{e^2}{r_{n}^{2}}&\displaystyle\left(k=\frac{1}{4πε_0}\right) \\ \\ \displaystyle ω_{n}^{2}&\displaystyle =\frac{1}{m_e r_n}k\frac{e^2}{r_{n}^{2}} \\ \\ \displaystyle ω_{n}^{2}&\displaystyle =k\frac{e^2}{m_e r_{n}^{3}} \end{array}

 

\displaystyle ω_n=\sqrt{k\frac{e^2}{m_e r_{n}^{3}}}

 

このように『角速度 ω 』が求まるので、

後はこれを「角運動量」に代入すれば、

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle m_er_{n}^{2}ω_{n}&\displaystyle =m_er_{n}^{2}\sqrt{k\frac{e^2}{m_e r_{n}^{3}}} \\ \\ &\displaystyle =m_e \sqrt{r_{n}^{4}} \sqrt{k\frac{e^2}{m_e r_{n}^{3}}} \\ \\ \\ &\displaystyle =m_e \sqrt{k\frac{e^2}{m_e}r_n} \\ \\ &\displaystyle =\textcolor{skyblue}{m_e} \sqrt{k\frac{\textcolor{pink}{e}^2}{\textcolor{skyblue}{m_e}}\left(\frac{ε_0h^2}{π\textcolor{skyblue}{m_e} \textcolor{pink}{e}^2}n^2\right)}\end{array}

 

\begin{array}{rlr} \displaystyle m_er_{n}^{2}ω_{n}&\displaystyle =\sqrt{k\frac{ε_0h^2}{π}n^2}\\ \\ &\displaystyle =nh\sqrt{k\frac{ε_0}{π}}\\ \\ \\ &\displaystyle =nh\sqrt{\frac{1}{4π\textcolor{pink}{ε_0}}\frac{\textcolor{pink}{ε_0}}{π}}&\displaystyle\left( k=\frac{1}{4πε_0} \right) \\ \\ &\displaystyle =nh\sqrt{\frac{1}{2^2 π^2}} \\ \\ \\ &\displaystyle =n\frac{h}{2π} \\ \\ &\displaystyle =nℏ&\displaystyle\left(ℏ=\frac{h}{2π}\right) \end{array}

 

m_e r_{n}^{2} ω_n =nℏ

 

こんな感じで、

↑の量子条件が求められてしまった、っていう。

いやほんと、これ、求められちゃったんですよ。

 

 

強調しておきますが、

この導出の段階はあくまで『仮説』の類で、

試しに計算してみたらこうなった、という感じ。

 

 

んで、実際に検証してみたら、

どうやら間違っていないとわかった、みたいな、

いつもの流れを辿って、正しいってことになってます。

 

 

んで、これ見てわかると思いますが、

「角運動量」を使っているのは、

『式を単純にするため』です。

 

 

単純なエネルギーでの導出でも↑みたいにできて、

その時に、ちょうど ω_n が邪魔になります。

 

 

まあとりあえず、これはそういうもんだ、と。

今はそう思っておいてください。

 

 

 

ちなみに、この発想は「リュードベリの公式」っていう、

『波長が飛び飛びの値になる』って事実から来ていて、

その公式をいじくりまわした結果、↑が導かれてます。

 

 

 

 

 

リュードベリの公式

 

これは『原子が放出する光』とかの法則を表す公式で、

いわゆる「スペクトル」と言われてるもののお話です。

 

 

「スペクトル」っていうのは、

簡単に言うと『光を色ごとに分割したやつ』のことで、

この公式は、この『色のパターン』を示すものになります。

 

 

分光器、いわゆるプリズムとかで、

光は分けられるじゃないですか。

これはそれの話ですね。

 

 

んで、その『分けられた光』なんですけど、

なぜか『原子によって異なる』んです。

 

 

まあ、光って電磁波なわけですから、

『反射される電磁波のパターンがある』のは、

なんとなーくわかると思います。

 

 

まああれです。これは

『ものについてる色に種類がある』

「理由」の話だと思ってください。

 

 

 

というのも『色』ってのは、

「電磁波の波長 λ 」で決まることがわかってます。

 

 

「赤」なら 620\mathrm{‐}750 \mathrm{nm} で、

「青」なら 450\mathrm{‐}495 \mathrm{nm}

「紫」なら 380\mathrm{‐}450 \mathrm{nm} みたいに。

 

 

んで、この波長の電磁波なんですけど、

ものによっては、吸収しちゃうんですね。

 

 

まあつまり「原子」によっては、

『放射しない電磁波がある』わけですよ。

 

 

「リュードベリの公式」ってのは、

この『波長』についてのものになります。

 

 

 

というわけでさっそくその公式なんですけど、

最も単純な形をしてる「水素原子」のものだと、

「リュードベリの公式」は↓になります。

 

\displaystyle \frac{1}{λ}=R \left( \frac{1}{m^2}-\frac{1}{n^2} \right)

\displaystyle λ=\frac{1}{R}\left(\frac{n^2m^2}{n^2-m^2}\right)

 

見た感じ、なんか『飛び飛び』なのが分かりますね。

なにせ「 n,m 」は『自然数』ですから。

 

 

ちなみに R は「リュードベリ定数」って言われてるやつで、

具体的には↓みたいな値になります。

めっちゃごちゃっとしてますね。

 

\displaystyle R=\frac{m_e e^4}{8ε_{0}^{2}h^3 c}

 

まあこれは『定数として表せる』ことが重要であって、

そんな意味のあるものではないので覚えなくてOK。

 

 

ちなみに、求めるには「近似」っていう

統計的な感覚が必要になります。

 

 

具体的な操作としては、

「都合の良い自然数 m=n-k 」を考えて、

k を無視できるように「 k<<n 」ってことにして、

 

\begin{array}{lrc} \displaystyle R \left( \frac{1}{(n-k)^2}-\frac{1}{n^2} \right) \\ \\ \displaystyle =R \frac{n^2-(n-k)^2}{n^2(n-k)^2} \\ \\ \\ \displaystyle =R \frac{n^2-(n^2-2nk+k^2)}{n^2(n-k)^2}\\ \\ \displaystyle =R\frac{2nk-k^2}{n^2(n-k)^2} \\ \\ \\ \displaystyle =\frac{2k}{n^2}R\frac{n-\frac{k}{2}}{(n-k)^2} \\ \\ \displaystyle =\frac{2k}{n^2}R\frac{(n-\frac{k}{2})\frac{1}{n}}{(n-k)^2\frac{1}{n^2}}\,\frac{1}{n} \\ \\ \\ \displaystyle =\frac{2k}{n^3}R\frac{1-\frac{k}{2n}}{(1-\frac{k}{n})^2} \\ \\ \displaystyle ≒\frac{2k}{n^3}R&\displaystyle\left(\frac{k}{n}≒0\right) \end{array}

 

このように近似したものを使います。

どう使うかについては、

『仮説』から、↓の式を得て使う感じですね。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle hν&\displaystyle =hc\frac{1}{λ} \,\,\,\,\,\left(λ=\frac{c}{ν}\right) \\ \\ \displaystyle hν&\displaystyle =hcR \left( \frac{1}{m^2}-\frac{1}{n^2} \right) \end{array}

 

この式は『放出される光子のエネルギー』と、

『電子が n 軌道から m 軌道に落ちるエネルギー』として、

 

\displaystyle hν=hcR \left( \frac{1}{m^2} \right) - hcR\left( \frac{1}{n^2} \right)

 

という風に考えることが出来て、

これは『軌道間のエネルギーの差』と解釈できますから、

 

\displaystyle E_n=hν_n=-hcR\left( \frac{1}{n^2} \right)

 

n 軌道でのエネルギーを、

このように『推測』することができます。

 

 

そしてこれと『電子が持ってるエネルギー』から、

『電子の軌道半径 r 』が、次の形で導けるんです。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \frac{m_ev^2}{r}&\displaystyle =k_0\frac{e^2}{r^2} \\ \\ \displaystyle \frac{1}{2}m_ev^2 &\displaystyle =\frac{1}{2}rk_0\frac{e^2}{r^2} \end{array}

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle E &\displaystyle =-hcR\left( \frac{1}{n^2} \right) \\ \\ E=T+U&\displaystyle =\frac{1}{2}k_0\frac{e^2}{r}-k_0\frac{e^2}{r} \\ \\ \\ \displaystyle -hcR\left( \frac{1}{n^2} \right)&\displaystyle=-\frac{1}{2}k_0\frac{e^2}{r} \end{array}

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle r\,hcR\left( \frac{1}{n^2} \right)&\displaystyle =\frac{1}{2}k_0e^2 \\ \\ \displaystyle r&\displaystyle =\frac{1}{2}k_0\frac{e^2}{hcR}n^2 \end{array}

 

電子の位置エネルギー U の向きに関しては、

「距離 r\infty の時に 0 になる」

みたいに考えると分かるかと。

 

 

 

んで、確認しておくと、↑の近似式で、

「エネルギー」は↓の式だ、としてましたよね。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle E_k&\displaystyle ≒hc\frac{2k}{n^3}R \\ \\ hν_k&\displaystyle =hc\frac{2k}{n^3}R \end{array}

 

で、ここでこの場合の周波数 ν_k を、

「電子を弾く光子の数 k 」として↓のように定義すると、

 

1:k=hν:hν_k

 

\begin{array}{rlr} \displaystyle \displaystyle {ν_k}&=kν \\ \\ &\displaystyle =k\frac{ω}{2π} &\displaystyle \left( ν=\frac{2π}{ω} \right) \end{array}

 

エネルギー E_k の関係式を考えれば、

「小さな自然数 k 」を消すことができます。

 

\begin{array}{rlc} hν_k&\displaystyle =\frac{1}{λ}hc \\ \\ &\displaystyle =hc\frac{2k}{n^3}R \\ \\ \displaystyle hν_k&\displaystyle =h\frac{kω}{2π} \end{array}

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle hc\frac{2k}{n^3}R&\displaystyle =h\frac{kω}{2π} \\ \\ \displaystyle c\frac{2}{n^3}R&\displaystyle =\frac{ω}{2π} \end{array}

 

そしてこれを使えば、

「クーロン力」と「遠心力」の釣り合いから、

『角速度 ω 』を↓のように書くことが出来ます。

 

\begin{array}{rlr} \displaystyle m_e rω^2 &\displaystyle =k_0\frac{e^2}{r^2}&\displaystyle\left(k_0=\frac{1}{4πε_0}\right) \\ \\ \displaystyle ω^2&\displaystyle =k_0\frac{e^2}{m_e r^3} \end{array}

 

んで、以上の等式が使えるわけですから、

これらをそのまま使って R を求めると、

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle c\frac{2}{n^3}R&\displaystyle =\frac{ω}{2π} \\ \\ \displaystyle R&\displaystyle =\frac{ω}{2^2πc}n^3 \\ \\ \\ \displaystyle R^2&\displaystyle =ω^2\left(\frac{1}{2^2πc}n^3\right)^2 \\ \\ \displaystyle &\displaystyle =k_0\frac{e^2}{m_e r^3}\left(\frac{1}{2^2πc}n^3\right)^2\end{array}

 

後はこれに、

↑で求めた『電子の軌道半径 r 』を入れれば、

 

\displaystyle r=\frac{1}{2}k_0\frac{e^2}{hcR}n^2

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle R^2&\displaystyle =k_0\frac{e^2}{m_e \displaystyle\left( \frac{1}{2}k_0\frac{e^2}{hcR}n^2 \right)^3 }\left(\frac{1}{2^2πc}n^3\right)^2 \\ \\ \displaystyle \textcolor{orange}{R}^2&\displaystyle =\textcolor{gray}{k_0}\frac{\textcolor{pink}{e}^2}{m_e \displaystyle\left( \frac{1}{2^3}\textcolor{gray}{k_0}^3\frac{\textcolor{pink}{e}^6}{h^3\textcolor{yellow}{c}^3\textcolor{orange}{R}^3}\textcolor{skyblue}{n}^6 \right) }\left(\frac{1}{2^4π^2\textcolor{yellow}{c}^2}\textcolor{skyblue}{n}^6\right) \\ \\ \\ \displaystyle \frac{1}{2^3}\textcolor{orange}{R}^2&\displaystyle =\frac{h^3 \textcolor{yellow}{c}^3 \textcolor{orange}{R}^3}{m_e \left( \textcolor{gray}{k_0}^2 \textcolor{pink}{e}^4 \right) } \left(\frac{1}{2^4π^2\textcolor{yellow}{c}^2}\right) \end{array}

 

\displaystyle \frac{1}{2^3}2^4π^2=\frac{h^3 \textcolor{yellow}{c} \textcolor{orange}{R}}{m_e \left( \textcolor{gray}{k_0}^2 \textcolor{pink}{e}^4 \right) }

 

\begin{array}{rlr} \displaystyle R&\displaystyle =\frac{1}{2^3}\frac{m_e e^4}{h^3c}2^4π^2k_{0}^{2} \\ \\ &\displaystyle =\frac{1}{2^3}\frac{m_e e^4}{h^3c}(\textcolor{skyblue}{2^2π})^2\left( \frac{1}{\textcolor{skyblue}{2^2π}ε_0} \right)^2&\displaystyle\left( k_0=\frac{1}{4πε_0} \right) \end{array}

 

\displaystyle R=\frac{m_e e^4}{8ε_{0}^{2}\,h^3c}

 

だいぶごちゃっとしてますが、

ちゃんと『定数だけ』で表せるとわかります。

 

\displaystyle r=\frac{1}{2}k_0\frac{e^2}{hcR}n^2

 

電子の軌道半径を求めたい場合は、

この式にリュードベリ定数を代入して、

定数の位置を整理してみてください。

 

\displaystyle r_n=\frac{ε_0h^2}{πm_e e^2}n^2

 

まあ、見てわかるとは思いますが、

「任意の自然数 n 」は消えません。

 

 

つまりこれ、不思議なことに、

どんな値でもとれる「連続値」ではなくて、

「飛び飛びの値」になってるんですよ。

 

 

 

はい、とまあこんな感じが、

ボーアの量子条件導出までの流れになります。

 

 

ごちゃっとして覚えにくいでしょうけど、

まあ無理そうなら、全部は覚えなくていいです。

 

 

「リュードベリ定数は定数だけで表せる」こととか、

「電子の軌道半径は離散値になる」こととか、

『表現したい部分だけ』覚えてれば特に問題ありません。

 

 

 

ちなみにリュードベリの公式は、

『実験結果』から得られた↓の式から得られています。

 

\displaystyle λ=\frac{n^2}{n^2-4}×365.46\mathrm{nm}

 

↑のは「水素原子のスペクトル」を表す式で、

一般化された式は↓みたいになっています。

これも、『こうじゃね?(仮説)』から得られました。

 

\displaystyle \frac{1}{λ}=R \left( \frac{1}{(m+a)^2}-\frac{1}{(n+b)^2} \right)

 

a,b 」は原子によって変わる値で、

水素原子の場合は「 0 」になります。

 

 

 

 

 

原子の形(モデル)

 

『原子の形』は、学校で習いましたよね?

「原子核」が真ん中にあって、

『電子がその周りを回ってる』みたいな。

 

 

これ、現在では常識のように扱われますが、

『電子が原子核の周りを回ってる』っていうのは、

昔は常識ではありませんでした。

 

 

しかし「光電効果」を考えると、

物質の中には、電子がありそうじゃないですか。

なにせ、光を当てると電子が飛び出るわけですから。

 

 

まあそんなわけなので、

そこからいくつもの「原子の形」が予想されたんですよ。

 

 

そして当然ですけど、

「現代では常識になった原子の形」もまた、

昔は、その『予想・仮定』の1つだったんですね。

 

 

 

今では、原子核の周りを電子がまわる、

あの原子の形は常識です。

 

 

しかし実はこれ、昔は問題があって、

間違ってんじゃね? って言われてたんです。

 

 

というのも、『動かなくなった電子』を考えると、

それはもう「原子核の周りを回ってない」し、

『原子核に落ちちゃってる』んじゃ? みたいな。

 

 

まあ要は、冷やすと動きが鈍くなるのは明らかだから、

結果として、核の『周りで回っているはず』の電子は、

『周んなくなるんじゃね?』ってなった感じ。

 

 

んで実際、そうはならないことは実証されていて、

だからこそ、今の原子モデルは常識ではありませんでした。

寧ろ、おかしいとさえ言われてたんです。

 

 

 

しかし『光量子仮説』の登場によって、

電子のエネルギーも「飛び飛び」になるんじゃ? と、

そんな感じの『仮説』が得られました。↑

 

 

まあつまり『原子核に落ちるエネルギー値はとらない』

だから「原子核の周りを回ってる」と考えるのは、

別におかしくないんじゃ? ってなったわけです。

 

 

 

整理すると、光は「周波数 0 」の時、

つまり光かどうかすら定かではない時のみ、

エネルギーの値が 0 になります。

 

E_{\mathrm{photon}}=nhν

 

んで、光電効果によると、

『光子は、電子を弾き飛ばせる』わけで、

なら『電子のエネルギーの値はどうなん?』ってなって、

 

\displaystyle \frac{m_ev^2}{r}-k\frac{e・e}{r^2}=0\,\,\,\,\,\left( k=\frac{1}{4πε_0} \right)

 

\displaystyle \frac{1}{2}m_ev^2=\frac{1}{2}k\frac{e^2}{r}

 

「クーロン力」と「遠心力(俗称)」の釣り合いから、

電子が持ってる運動エネルギーって、こうなんじゃね?

って仮説が立てられたわけです。↑

 

 

 

んで、この『仮説を立てる上で参考にした原子モデル』

つまり「遠心力」と「クーロンの法則」を結び付けた、

最も都合の良い原子の形

 

 

それこそが、

今現在、常識とされてる原子モデルだった。

 

 

だから、この原子のモデルが一番正しい、となって、

現代では常識として扱われている、というわけです。

 

 

 

 

 

物質波(ド・ブロイ波)

 

|| 重さを持ってるやつも、波なんじゃね?

『物質には波の性質もある』って発想から生まれたやつ。

まあ要は「粒子と波動の二重性」の話ですね。

 

E=hν

 

具体的な話をすると、

↑は「光子だけじゃなくね?」って考えて、

「運動量 p 」とかも考えてみると、

 

\begin{array}{rlr} \displaystyle E &=mc^2 \\ \\ & =hν \\ \\ \\ \displaystyle p & =mc \\ \\ &\displaystyle =\frac{hν}{c} \\ \\ &\displaystyle =\frac{h}{λ} & \displaystyle\left( λ=\frac{c}{ν} \right) \end{array}

 

\displaystyle E=\frac{hc}{λ}\,\,\,\,\,\left( λ=\frac{c}{ν} \right)

 

『物質が持つ波の長さ λ (?)』を、

『質量 m との関係式で表せる』じゃん、と。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle λ&\displaystyle =\frac{h}{mc}&\displaystyle\left( mc=\frac{h}{λ} \right) \\ \\ \displaystyle λ&\displaystyle =\frac{h}{mv}&? \end{array}

 

なんかこういう、

『数式上だと、正しい仮説』が得られたんですよ。

 

 

でもまあこれ、なんかよく分かりませんよね。

数式上の関係は分かっても、

具体的にどんなものなんでしょう?

 

 

 

まあ結論としては、

検証してみた結果、どうもこりゃ正しいぞと、

そうなって、現在では常識とされています。

 

 

具体的には「電子は質量を持つ」ので、

電子線を使って実験をしてみました。

 

 

より具体的には、

波みたいに干渉波が作れるか実験したんです。

すると、電子線の「波長」を測定できちゃったんですよ。

 

\begin{array}{rlc} \displaystyle \frac{1}{2}m_e v^2&\displaystyle =eV \\ \\ \\ \displaystyle (m_e v)^2&\displaystyle =2m_e eV \\ \\ m_e v&\displaystyle =\sqrt{2m_e eV} \end{array}

 

\displaystyle λ=\frac{h}{m_e v}=\frac{h}{\sqrt{2m_e eV}}

 

んで、数理的に導けるこの値 λ と、

実験結果の値が一致しちゃったんですね。

 

 

具体的には、電子の質量 m_e  電気素量 e を入れて、

電圧 V=100 だと λ=1.23×10^{-10} なんですが、

この値が、実験結果の値と一致するんですよ。

 

 

 

で、電子でもオッケーなんだから、

「電子を内部に含む物質」も全てそうなんじゃ?

ってなるのは自然な感覚で、

 

 

実際、実験してみたらそうだった、

ってなったんですね。

 

 

 

まとめると、これは

『物質の質量』は『物質の波長』に関係してるっていう、

「その事実を表す関係式」の話です。

 

 

ただまあ結局、

この「ド・ブロイ波」の正体はよく分かりません。

 

 

でもなんか、ある。

とにかくそういうもの。

とりあえず、現状はそう思っておいてください。

 

 

 

とまあこんな感じで、

この物質波は「量子力学の基礎」の1つになって、

『量子』を特徴付ける重要な事実・原理になりました。

 

 

 

んで、話は変わりますが、

「波動関数(詳細は後述)」ってのがあるんですけど、

この物質波は、この波動関数で説明されます。

 

 

 

 

 

余談ですが、「原子の形」なんですけど、

『電子の軌道』は「単純な円運動ではない」

ってことが分かってます。

 

 

具体的には『定常波』っていう波形ですね。

「単純な円形」の『線』を想像してもらって、

それがうにょうにょしてる感じの波だと思ってください。

 

 

まあ物質波についてはこんな感じです。

詳細は波動関数の項目で話します。

 

 

 

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