級数解析 Series


|| 級数ってなんか難しそうな響き

これは『複雑な関数を分かりやすくする』ためのものです。

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複雑すぎる奴の知りたい部分(だいたい 0 辺り)を切り取って、

単純なもの(項とか)の「有限の集まり」として表します。





目次


テイラー級数「微分を使って多項式で表す感じ」

   マクローリン展開「テイラー展開したやつの定数に 0 を」


フーリエ級数「波を重ねて整理する感じ」








ざっと言うと、「単純な関数の集まり」として、

『複雑な関数が表す図形』を分かりやすく表します。




『テイラー級数』なら「 n 次の多項式」として。

『フーリエ級数』なら「正弦関数」と「余弦関数」の集まりとして。




なんでこれが正しくなるかというと、

↓が成立するからです。



『微分可能』で『連続』なら、(前提)

「テイラー展開が可能」(結論)



級数解析の「正当性を保証」しているのはこの理屈になります。

必要条件は『接線』を思い浮かべてください。

それをベースに、解析したい関数へ近づけていく感じ。




これは『平均値の定理』を一般化すると導かれます。

詳しくは別の記事「テイラーの定理」で。




「正弦関数」や「余弦関数」もまた『テイラー展開』できるので、

『テイラー級数』と『フーリエ級数』は本質的に同じものになります。







テイラー級数 Taylor Series


|| 元のやつを多項式で作る

あらゆる関数を「多項式」に変換する感じです。

大量の『接線の一部』をひたすら繋げる感じの操作になります。




形式は↓みたいな。


\displaystyle\sum_{n=0}^{\infty}\frac{f^{(n)}(c)}{n!}(x-c)^n

\displaystyle =f(c)+f^{(1)}(c)(x-c)^1+\frac{1}{2!}f^{(2)}(c)(x-c)^2+…




こう書くと難しく感じますけど、

『接線の一部(一点)』を集めて元のを作ってるだけです。

やってることは単純なので、直観的に正しいと分かります。




詳しいことや証明は別の記事で。






マクローリン級数 Maclaurin Series


|| 定数 0 をぶち込んで簡略化

要は『テイラー級数』の定数 c に具体的な値を入れたやつです。

もっと具体的に言うと「 c=0 」のときのこと。




\displaystyle\sum_{n=0}^{\infty}\frac{f^{(n)}(0)}{n!}(x-0)^n

\displaystyle =f(0)+f^{(1)}(0)x^1+\frac{1}{2!}f^{(2)}(0)x^2+…




これはかなり単純になるんで、めっちゃよく使われます。

具体的にどう使われるかというと、要は「関数の多項式化」ですね。



例えば『正弦関数』と『余弦関数』を↓みたいに表せます。

sin(0)=1 』で『 cos(0)=0 』なので、



\displaystyle sin\,x=1-\frac{1}{2!}x^2+\frac{1}{4!}x^4-\frac{1}{6!}x^6… \displaystyle cos\,x=-\frac{1}{1}x^1+\frac{1}{3!}x^3-\frac{1}{5!}x^5+\frac{1}{7!}x^7…




そして『指数関数 e^x 』なら、

必ず「 e^0=1 」なので、


\displaystyle e^x=x+\frac{1}{1}x^1+\frac{1}{2!}x^2+\frac{1}{3!}x^3+\frac{1}{4!}x^4+\frac{1}{5!}x^5+…







フーリエ級数 Fourier Series


|| 波を重ねて元のやつを作る

現代『科学』の基礎になる「振動」から得られたアイディア。

いわゆる『周期性』のあるものを表す時は大体これを使います。

(音とか光とか、要は振動)




形式は↓みたいに書かれます。

「フーリエ係数 a,b 」の詳細は長くなるので省くと、


\displaystyle \frac{a_0}{2}+\sum^{\infty}_{k=1}(a_k\,sin\,kx+b_k\,cos\,kx)



「フーリエ係数」は、対称に範囲をとって、周期性を利用し、

単純になったその範囲で「積分」を使って求めた値になります。




例えば、正弦関数 sin\,x を思い出してください。

これの「範囲を周期を使って対称にとる」と、

中心を挟んで対称なら、その積分値は相殺されて「 0 」になります。



これの詳細は長くなるので個別の記事でやります。