様相論理 Modal Logic


|| 様相っていう聞き慣れない単語

これは「必然性」と「可能性」について言及したものです。

数学と哲学の両方に片足ずっぽりな感じのする論理になります。

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あまり基礎的なものではないのですが、

面白いので紹介させてください。




形式は述語論理に似ていて、

「~は必然的に真である」「~は可能である」の2つの意味を使います。




そしてそれぞれ記号は、以下のように定義されています。

量化記号とかを思い出してくれれば、そんな感じです。






必然性演算子「~は必然的に真である」


」(なんかしっかりしてるイメージで覚える)




可能性演算子「~は可能である」


」(なんか宙に浮いてる感じのイメージ)






使われ方


例えば、

「神は存在しない」という主張(必然的に存在しない)と、

「神は存在し得る」という主張(存在することは可能である)は、

矛盾しません(どっちも正しいことが両立する)




なぜなら「神は存在しない」という主張なら、

「これまで認識されてない」から存在しないと解釈できて(認識論)




「神は存在し得る」という主張なら、

「認識が真実とは限らない」から存在し得ると解釈できる(真理論)




つまり、このような形式をとる場合に関しては、

一見すると「正反対な主張」を「どちらも否定できない」わけです。



当たり前じゃんと思うかもしれませんが、

様相論理はこの事実を単純に形式化できています。




面白くありませんか?(面白いよね?)




というのも『量化』であれば、正反対は両立しません。

『量化』だけは、確実に「真偽」が定まるんです。



一見似通った「様相」では成立しないのに、

なぜか『量化』だけ。




なんかすごくないですか? 『量化だけ』なんですよ?

こういう「様相」のような理屈はいろいろあるのに、

『量化だけ』は、真偽が定まるんです。



これで『量化』の特別性を実感できていただければ嬉しいですね。

いやだって、ほんとに不思議じゃありません?






義務論理


様相理論は表し方を変えれば、

「~べきではない」と「~してもよい」のような、

義務を表す表現に置き換えて考えることもできます。




こういうのからいろいろ試していって、

そして最後に「数的概念」である『量化だけ』が残るというのは、

いやはや、実に不思議な話です。







様相論理の公理


上の解釈を見れば分かる通り、これは論争の的になっています。

基礎じゃないというのはそういう理由によるものです。




とはいえ、どの「公理系」でも採用されているものがあります。

それをご紹介しましょう。




「ド・モルガンの法則」というものがあるのですが、

詳しくは置いておいて、

その法則のような関係が2つの演算子には成立します。




「~は必然的に真である」(絶対にそう!)

「~が偽である可能性はない」(間違いなはずない!)


□p\,≡\,¬◊¬p






「~が真である可能性がある」(ほんとかも?)

「~が必然的に偽であることはない」(嘘とは限らないよ)


◊p\,≡\,¬□¬p






はい、なんか出てきましたね。

不思議なもので、これを間違っていると思えないのが人間です。



この関係は、確実に正しいとするほかにありません。

まあ、だから「公理」なわけですが。