|| 整な列
読んだまま、「整列順序」持ちの「集合」のことです。
「整列順序」は定義より「直感」で理解した方が良いかと。
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といってもまあ、定義を押さえていくわけですが。
基本的には『自然数』の性質だと思っておけば良いと思います。
使用例は『ソートアルゴリズム』とかですね。
↓の説明を見る前に、
まあ、知らなくてもなんとなく分かるとは思いますが。
整列順序関係 Well-Order
|| 整な列な順序です。整な列っていうと、整った列とか?
直観的に分かると思うので、定義からさっさと行きます。
まず『全順序関係 R_{ord^{\,T}} 』が『集合 S_{ord} 』上で定義されてます。
『 R_{ord^{\,T}} 』の具体例は「 ≤,≦ (←どっちも同じ)」とか。
この上で『全順序関係 R_{ord^{\,T}} 』に関して「最小元」があります。
もいっちょ「最小元」に関してですが、これは↓を満たします。
『集合 S_{ord} 』の部分集合(空集合以外)もまた「最小元」を持つ
(全順序関係 R_{ord^{\,T}} についての)
あー、定義になるとしちゃかちゃしますね。
まあ、要するに↓ってことです。
「全部比較できて、しかも一番ちっちゃいのあるよ」
これが「集合の一部分でも成り立つよ」と。
もっと具体的に言うと、要は数値の性質です。(複素数とか以外の)
「実数」なり「自然数」なりが持ってる当たり前の性質になります。
ちなみにこれを、
『整礎な全順序関係』とか言ったりします。
うわー『整礎』っすよ。なんかまたきました。
といってもまあ、これかなーり大事なんで紹介します。
でも長くなるので『整礎関係』は別記事で。
とりあえず具体例を見ましょうか。
それが一番、直感的に理解するのに良いでしょう。
整列集合の具体例
自然数の場合
まずは代表的な「自然数」を使ってみます。
これは「 0 を含める」と扱いやすいので、(集合論的観点から)
以下、記事内では『自然数』は「 0 を含む」とします。
この上で、「自然数 N=\{0,1,2,3,4,5,...\} 」の上では、
『整列関係(整礎な全順序関係) ≤ 』を考えると、
『最小元 0 がある』ことが言えます。
またどのように「部分集合 N_{pt} 」をとっても、
例えば「 N_{pt}=\{5,9,143\} 」だとか。
「 N_{pt}=\{634,957,9567,...\} 」だとか。
ちゃんと「最小元」がそれぞれ 5 と 634 と、ありますね。
これを出鱈目に並び替えたとしても、例えば↓みたいに。
N_{pt}=\{6134,131,7613,735,2,8,836\}
『整列関係 ≤ 』を使って全て比較していけば、
最終的に『 2 が最小元』だと分かります。
↑のは有限ですが、これは当然、無限でも成立します。
なぜなら『集合の定義』より、集合の中身は確実に分かるからです。
ですから必ず最終的に最小元は見つかります。
整数の場合
ここからは少し操作を加えないといけません。
というのも、これは「整列関係 ≤ 」を考えたとき、
直観的に「最小元」も「最大限」も存在しないことが分かるので。
正の数はどこまでも大きくなりますし、
負の数もまたどこまでも小さくなります。
はい、そんなわけですから普通にやると「整列関係」は得られません。
つまり別の『整列関係 R_{ord^{well}} 』を考える必要があります。
ともあれ、『整列関係』で必要なのは「最小元」です。
それでいて「部分集合」でもそれが必ず現れなければなりません。
つまり「最小元 e_{min} 」とすると、
見慣れた形だと「 e_{min}<e_1<e_2<e_3<... 」
↑みたいな形でないとダメってことですね。
整数は「 Z=\{...,-3,-2,-1,0,1,2,3,...\} 」ですから、
これをどうにかして↑の形にしなくちゃいけません。
なので、そんな「整列関係 R_{ord^{well}} 」を考える必要があります。
というわけで「関係 R_{ord^{well}} 」を場合分けしてみましょう。
最小元は中心にある『 0 』が良さそうです。
残念ながら他の候補は見当たりませんね。
前も後ろも限りがありませんし。
では「最小元 0 (候補)」を元に関係を定めてみましょう。
すると、まず 2 ブロックに割れてることが分かります。
『 \{1,2,3,4,5,...\} 』と『 \{-1,-2,-3,-4,...\} 』に。
というわけで、これを使って「整列」させてみましょう。
しかしはて、どうしましょうか。
パッと思いつくことなら 4 通りくらいですね。
「 1,2,3,...,-1,-2,... 」「←の反転」の形で作るか、
「 -1,1,-2,2,-3,... 」「←の反転」で作るかのどれかでしょう。
こうなると、まず「正負の関係」について定めないといけません。
直観はこうなので『正の方が大きい(後ろ)』としましょうか。
形式的にはこんな『 e^{-}\,R_{ord^{well}}\,e^{+} 』です。
4 つは多いので「 -1,1,-2,2,-3,… 」に絞って考えましょう。
すると「正の数同士」であれば、この「整列関係」は直観的です。
形式であれば『 e^{+}_1\,R_{ord^{well}}\,e^{+}_2 』
しかし「 -1 R_{ord^{well}} -2 」となってることが分かります。
これは直観に反する並びですが、なんか分からんでもないです。
これはどうも「 - 」を取り除けばいけそうな気がします。
なので「負の数同士の関係」は、
例えばこう「 |-1|<|-3| 」しましょう。
形式的には「 |e^{-}_1|\,R_{ord^{well}}\,|e^{-}_2| 」で。
まとめると、
『最小元 0 』があって、
『正の方が後ろ e^{-}\,R_{ord^{well}}\,e^{+} 』で、
『正の数同士では e^{+}_1\,R_{ord^{well}}\,e^{+}_2 』となって、
『負の数同士では |e^{-}_1|\,R_{ord^{well}}\,|e^{-}_2| 』記号を外す。
↑を満たす「関係」なら、『整数上の整列関係』と言えます。
その「整列集合 (Z,R_{ord^{well}}) 」の中身は、
『 0,-1,1,-2,2,-3,3,... 』です。
ちょっとややこしいですね。
この『整列集合』は「順序数」を定義する上で必須になります。
「順序数」を詳しく理解したいのなら押さえておきましょう。