構造 Structure


|| 意味が分かるようでそうでもない

感覚的には、これは「空間」に近い概念になります。

といっても空間が「枠組み」なら、こちらは「中身」なんですが。

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まあともかく、

空間は「できるだけ好きなことができる枠組み」の話で、

 

 

構造は『中身をどう決めるか』みたいな、

なんかそんな感じの、別の話だと思ってれば

まあだいたい「構造」の感覚は掴めると思います。

 

 

 

はい。

でまあ『構造』なんですけど、

これは「中身を指定するもの」で、

 

 

「これとそれとあれは、この中身だ」

みたいな感じに決めるんですけど、

まあ、これは当然っちゃ当然の話ですよね。

 

 

「中身になるもの」を『指定』して、

「全体を構成する具体的な中身」を決める。

 

 

言ってしまえば、

「会社」を作るのに

「仕事の内容」や「従業員の数」とかを決める感じに、

 

 

『構造』というのは、

この『中身の決め方』

という点で、無視できないものになるわけです。

 

 

 

んで、数学でこれが重要視される理由なんですけど、

 

 

数学で扱えるもの(対象)は

全て『構造』で表すことができる

 

 

この原理原則が存在しているから

 

 

というより、

構造それ自体が「数学的なもの」だから、です。

 

 

 

 

 

構造を作る流れ

 

構造は↓みたいな流れで定義されます。

 

 

1. とりあえずなんか(集合)あるよ

これは「領域 Domain」なんて呼ばれたりしますね。

空っぽじゃないよって感じの宣言とかで使われます。



2. その集合の中だけで完結させられる操作があるよ

「自然数+自然数=自然数」とか「偶数+偶数=偶数」みたいな

こんな感じのやつですね。



3. 操作を集合に適用して、それが集合の中にある確認

まあ要は↑の確認です。

ドメインの中だけで話が完結してるか確認します。

 

 

 

 

 

以上

これが大雑把な構造の形式的な話なんですけど、

 

 

まあ見てわかる通り、

「あれが使いたいから、こうする」みたいな感じで、

それを実現するために↑みたいな流れを辿る感じです。

 

 

 

具体的な感覚だと、

「予算が決まってる」「動かせる人員が決まってる」

「使える時間も決まってる」「期限も決まってる」

 

 

こういう状況があって、

その中で「最大の利益を出す」にはどうすればいいか。

 

 

とかなんかそういう感覚で、

このパターンだと、

 

 

「やりたいこと」の「集まり(集合)」は、

この構造の中で実現可能なパターンのどれかになる

 

 

まあつまり、

『実現できるやりたいこと』が、

この構造によって決まるわけです。

 

 

はい。

まあざっくりとはこんな感じ。




で、これを見て分かると思うんですけど、

何度も言ったように、構造は「中身の指定」を行います。

 

 

『空間』は、まず「やりたいこと」があって、

それが問題なくできるだけの「自由な環境」はどんな感じか

みたいな感覚なんですけど、

 

 

『構造』は「限られた状況」に対して、

「それで実現される全てのこと」を表す感じになります。

 

 

 

 

 


構造関連の用語

 

以下、専門用語の話。

正直あんまり使う単語ではないんで、

これは必要になったら覚える感じでOKです。

 

 

 

ということでまず、

『構造の元』となるもの「構造種」について。

上の大雑把な形式でいうところの、1. にあたる部分の話をします。

 

 

「集合論で表現すると」って話にはなるんですけど、

ともかく、そこでの構造種は大別して4種類。

ブロックは、大きく分けて2ブロック存在します。

 

 

 

 

 

構造種としての集合

 

1.1 主基集合(あるいは台集合)Principal base set

 

特になんの「演算」も「操作」も定義されていない

そんな状態の、とりあえずなんか入ってる

なんらかの『集合のこと』を指してこう表現することがあります。

 

 

具体的には、

扱いやすいので、だいたいは「実数全体」だったり、

他には「自然数全体」だったりのことを指す場合が多いですね。

 

 

 

1.2 副基集合 Auxiliary base set

 

すでに「何らかの構造を持ってる集合」

のことを指して、このような言い方をすることがあります。

 

 

例えば「自然数と引き算(減算)のセット」で、

「整数全体」を定義する、みたいな。

 

 

 

まああれです。

『代数的構造』っていう言葉があるんですけど、

 

 

この単語の意味を『集合論的に』理解するために

この言葉が出てくる、って感じですね。

 

 

 

 

 

構造種としての論理式

 

2.1 代表的特性記述 Predicate

 

直積や冪集合という操作に関して、

その「要素を記述する方法」を指して、

こんな言い方をすることがあります。

 

 

元は「主基集合」や「副基集合」で、

これはその一部を切り取ったり

複数用意したりする感じのやつになりますね。

 

 

その要素の一つですよ

みたいな感じに記述することで、

「中身を説明する論理式」から全体を構成していきます。

 

 

 

2.2 公理系 Axiomatic System

 

この単語は、

「構造」が『必ず満たす形式のこと』を指します。

 

 

具体的には

「記号」「公理」「代入規則」「推論規則」のセット

を指して使うことが多い言葉ですね。

 

 

これは割と見る単語なので、

覚えておいた方が良いと思います。

 

 

 

 

 

はい。

「構造」については以上ですね。

 

 

なんというか、けっこう用語用語しちゃいましたが、

「ちゃんと計画を立てる」時とかにわりと使う考え方なので、

覚えておいて損は無いと思います。

 

 

まあ、単語自体はあんまり見ませんけど、

なんかいきなり出てきたりするので

頭の片隅には置いておいた方が良いかも?

 

 

 

最後に、

「集合」とか「論理式」とか出てきましたけど、

これについてはこの記事では深く掘り下げません。

 

 

集合に関しては「集合論」で。

論理式」については数理論理学の記事で扱ってるので、

気になる方はそっちを参考にしてください。