記憶 Memory


|| 情報や概念と非常に似ている人間の原理

「観測者にとって」の「認識可能範囲」のこと

スポンサーリンク

 

 


目次

 

記憶「思い出すことが可能な情報のこと」

   基礎記憶「記憶の最小単位」

   既知記憶「既に記憶してる情報」

   関係「抽象と具体と関連

 

基礎原理思考の基礎になる記憶の原理」

   関連「共通部分がある ⇔ 関連がある」

   知覚「強制的に認識される ⇔ 知覚する」

   分かる「記憶が可能である ⇔ 分かる」

 

 

 

 

 


導入

 

「記憶」というのは

「観測者にとっての情報」のことである

 

\begin{array}{ccc} 記憶 &\Longrightarrow& 記憶可能な情報 \\ \\ 記憶 &\Longrightarrow& 記憶可能な概念 \end{array}

 

まだちょっと曖昧ではありますが

これはわりと納得できると思います。

(ここでの「情報」は実用的数学基礎での意味)

 

\begin{array}{ccc} 記憶 &\subset& 記憶可能な情報 &\subset & 認識可能範囲 \end{array}

 

私たちは「記憶できること」以外を認識できませんし

それ以上の範囲から逸脱することは決してありません。

(これ故に「知識による差」は必ず生じる)

 

 

 

 

 


記憶 Memory

 

|| 認識可能な情報の一部

「観測者が認識可能な情報」の一部分

 

\begin{array}{lcl} 基礎記憶 &\Longleftrightarrow& 最下層に来る情報 \\ \\ 既知記憶 &\Longleftrightarrow& 思い出すことができる記憶 \\ \\ 未記憶情報 &\Longleftrightarrow& まだ記憶してない情報 \end{array}

 

主に「3分類」によって分けることができます。

(私たちが思い出せるのは常に過去の情報)

 

 

 

 

 

基礎記憶 Fundamental

 

|| 観測者に依存する記憶の基礎

「人間」にとっては「五感を表す情報」のこと

 

\begin{array}{ccc} 機械 &\Longleftrightarrow& 0,1 \\ \\ 人間 &\Longleftrightarrow& 五感情報 \end{array}

 

「観測者」に依存する概念なので

 

\begin{array}{ccc} 観測者 &\to& 扱える記憶 &\to& 基礎記憶 \end{array}

 

「観測者の厳密な定義」によって

(観測者を記憶を要素に持つ集合とするなど)

 

\begin{array}{lcl} 直感的要請段階 && 観測者の記憶基盤 \\ \\ 形式的要請段階 && 基礎として定義できる情報 \\ \\ 公理選択段階 && 記憶を意味する情報を翻訳 \\ \\ 公理確定段階 && 記憶を集合として厳密に扱える \end{array}

 

「厳密な意味での基礎記憶」は定義されます。

(この段階では直感的な要請的定義に留まる)

 

 

 

 

 

五感情報

 

補足しておくと

「人間の基礎記憶」を表現する『情報』は

 

\begin{array}{ccc} 五感情報 & \left\{ \begin{array}{ll} 視覚情報 & \left\{ \begin{array}{lcl} 色がある \\ \\ 透明 \\ \\ 明るい \\ \\ 暗い \end{array} \right. \\ \\ \\ 聴覚情報 & \left\{ \begin{array}{ll} 心地良い \\ \\ うるさい \\ \\ 気にならない \end{array} \right. \\ \\ \\ 触覚情報 & \left\{ \begin{array}{ll} 柔い \\ \\ 固い \\ \\ 気持ち良い \\ \\ 痛い \end{array} \right. \\ \\ \\ 味覚情報 & \left\{ \begin{array}{ll} 旨い \\ \\ 塩っぽい \\ \\ 甘い \\ \\ 苦い \\ \\ 渋い \end{array} \right. \\ \\ \\ 嗅覚情報 & \left\{ \begin{array}{ll} 無臭 \\ \\ 良い匂い \\ \\ 臭い \end{array} \right. \end{array} \right. \end{array}

 

知っての通りこんな感じです。

(程度について追加すれば表現の精度を上げられる)

 

\begin{array}{ccc} 五感情報の本質 & \left\{ \begin{array}{ll} xは視覚を意味する情報である \\ \\ xは聴覚を意味する情報である \\ \\ xは触覚を意味する情報である \\ \\ x は味覚を意味する情報である \\ \\ x は嗅覚を意味する情報である \end{array} \right. \end{array}

 

ある程度正確に定義できるのは「本質まで」なので

この中身が確定した段階で厳密に扱えるようになります。

(この中身が多いと「表現力が豊か」と言われる)

 

 

 

 

 

既知記憶 Known

 

|| 厳密に扱える範囲の記憶

「思い出すことが可能な記憶」のこと

 

\begin{array}{lcl} 直感的要請段階 && 思い出せること \\ \\ 形式的要請段階 && 一部言語化できる思い出せる情報 \\ \\ \\ 公理選択段階 && 記憶を形式言語に翻訳 \\ \\ 公理確定段階 && 記憶情報を厳密に扱える \end{array}

 

「既に記憶している」と分かっている

この段階の「記憶」のことで

 

\begin{array}{lcl} 既知記憶 && 現時点で思い出せる情報 \\ \\ 未記憶情報 && 未来で記憶する可能性のある情報 \end{array}

 

私たちが「厳密に」取り扱えるのは

この「既知記憶」のみになります。

 

 

 

 

 


基礎原理

 

この記事では

「思考」が介入する前の段階である

 

\begin{array}{lcl} 記憶直感段階 && なんとなく前のことを思い出せる \\ \\ 記憶言語化段階 && 思い出せることを記憶と名付ける \\ \\ 記憶整理段階 && 記憶がどういうものか言語化される \\ \\ \\ 思考直感段階 && 思考の原型となる感覚が分かる \\ \\ 思考言語化段階 && 記憶の操作を思考と名付ける \\ \\ 思考整理段階 && 思考がどういうものか言語化される \end{array}

 

「記憶整理段階」までの記憶原理の話を扱います。

(思考についての詳細は別の記事で)

 

 

 

 

 

関連 Common

 

|| 記憶同士の関係における1つの形態

「共通部分の有無」の原型となる概念

 

\begin{array}{lcl} AとBに関連がある &\Longleftrightarrow& AとBに共通部分がある \\ \\ AとBに関連が無い &\Longleftrightarrow& AとBに共通部分が無い \end{array}

 

「集合論」における

 

\begin{array}{rcl} \mathrm{Common}(A,B) &\Longleftrightarrow& A∩B≠∅ \\ \\ \lnot\mathrm{Common}(A,B) &\Longleftrightarrow& A∩B=∅ \end{array}

 

「集合の関係」に対応するもので

(順番的には関連の感覚を意味する直感が先)

 

\begin{array}{rcl} AとBに関連がある &\Longleftrightarrow& \mathrm{Common}(A,B) \end{array}

 

「情報」同士の関係はこれでほとんど説明ができます。

(関連は記憶の基礎的な関係の1つ)

 

 

 

 

 

記憶の関係

 

以上の「関連」と合わせて

 

 

\begin{array}{ccc} 記憶の関係 & \left\{ \begin{array}{lcl} A\in B && AはBの具体情報である \\ \\ A\in B && BはAの抽象情報である \\ \\ A∩B≠∅ && AとBには関連がある \\ \\ A∩B=∅ && AとBには関連が無い \end{array} \right. \end{array}

 

「記憶」同士の『関係』は

このような形で定義することができます。

(これは集合の関係をそのまま翻訳した形)

 

 

 

 

 

境界が概念によって曖昧

 

直感的な概念の構成を考えると

 

\begin{array}{ccc} 道具 \in もの &\to& 道具∩もの=\{椅子,机,箸,携帯,...\} \\ \\ 魚 \in 動物 &\to& 魚∩動物=\{ 鯖,鰯,鯉,金魚,... \} \end{array}

 

「具体と抽象」という形と

「共通部分がある」という形には

 

\begin{array}{ccc} A\in B &\to& A∩B≠∅ \end{array}

 

あまり明確な違いが無いように見えます。

(これ故に「関連」を自然に定義できていると言える)

 

 

これ自体は正常な感覚なんですが

「集合の構成」を考えると

 

\begin{array}{lcl} \{a\} \in \Bigl\{ \{a\} \Bigr\} &\to& \{a\}∩\Bigl\{ \{a\} \Bigr\}=∅ \\ \\ \{a\} \in \Bigl\{ a,\{a\} \Bigr\} &\to& \{a\}∩\Bigl\{ a,\{a\} \Bigr\}=\{a\} \end{array}

 

「関連が無い」という状態と

「関係がある」という状態は両立させることが可能で

 

\begin{array}{ccc} 赤い \in りんご &\to& 赤い∩りんご=? \end{array}

 

「区別が必要そうな概念」もまた確かに存在するため

(最小単位となる五感情報であれば共通部分は無い)

 

\begin{array}{ccc} ほとんど && A\in B &\to& A∩B≠∅ \\ \\ 下層の形式 && A\in B &\to& A∩B=∅ \end{array}

 

「区別が必要な概念を表現する」ために

この部分はこのように定義する必要があります。

(別で定義しないとここを分離できない)

 

 

 

 

 

知覚 Sense

 

|| 強制的に入ってくる情報

「記憶になる前」段階の「入力される情報」のこと

 

\begin{array}{ccc} Iを感覚器官が自動的に入力する &\Longleftrightarrow& Iを知覚する \end{array}

 

「思い出せないもの」は

「記憶である」と『認識することさえできない』

 

\begin{array}{lcl} 直感的知覚段階 && 五感などが拾った情報 \\ \\ 形式的知覚段階 && 記憶媒体に情報が記録される \\ \\ \\ 直感的記憶段階 && いくつかの情報は思い出せる \\ \\ 形式的記憶段階 && 思い出せる情報が記憶になる \end{array}

 

これを説明するのに適した概念が「知覚」で

(知覚の具体的な中身は観測者の感覚器官に依存する)

 

\begin{array}{ccc} 知覚情報 & \left\{ \begin{array}{lcl} 記憶情報 && 思い出せる情報 \\ \\ 忘却情報 && 思い出せない情報 \end{array} \right. \end{array}

 

「知覚情報の一部」が「記憶」になります。

(ほとんどは忘却情報に分類される)

 

 

 

 

 

分かる Fit

 

|| 観測者に情報が馴染む感覚

「記憶可能」を定義するための「主観的判定」

 

\begin{array}{lcl} 入力段階 && Iは知覚情報である \\ \\ 処理段階 && Iは観測者の記憶と関係がある \\ \\ 出力段階 && Iは記憶可能情報である \end{array}

 

「観測者」に強く依存する概念で

(思い出すためには五感情報などの記憶との関係が必要)

 

\begin{array}{lcl} 分かりやすい &\Longleftrightarrow& 記憶しやすい \\ \\ 分かり辛い &\Longleftrightarrow& 記憶し辛い \end{array}

 

「分かり易い情報」が

「なぜ分かり易いか」を説明する根拠になります。

 

 

 

 

 

無意識段階と意識段階

 

実感レベルで分かる通り

 

\begin{array}{lcl} 知覚段階 && 感覚器官が勝手に情報を入力 \\ \\ 記憶段階 && 思い出せる情報が存在する \\ \\ 分かる確認段階 && 記憶が馴染みやすいか評価 \end{array}

 

人は「分かると確認する」前の段階で

情報を「記憶する」ことができます。

 

 

なので「分かる」の段階は

「記憶の後」の段階に来るんですが

 

\begin{array}{lcl} 知覚段階 && 感覚器官が勝手に情報を入力 \\ \\ 直感的分かる段階 && 知覚情報の無意識評価 \\ \\ 意識段階 && 分かる情報を優先して認識 \\ \\ \\ 無意識記憶段階 && 優先認識する情報を優先記憶 \\ \\ 意識記憶段階 && 思い出せる情報を記憶として認識 \\ \\ 確認的分かる段階 && 記憶の意識的な評価 \end{array}

 

これを細分化してみると

 

\begin{array}{lcl} 直感的分かる段階 && 知覚情報の無意識評価 \\ \\ 記憶段階 && 思い出せる情報が存在する \\ \\ 確認的分かる段階 && 記憶の意識的な評価 \end{array}

 

『無意識段階の分かる』と

『意識段階の分かる』が明らかに存在し

 

\begin{array}{lcl} 無意識に分かる && ぱっと見で意識がそこに向く \\ \\ 記憶可能である && 分かる情報は記憶しやすい \\ \\ 意識的に分かる && 思い出せる情報の評価 \end{array}

 

これらは「記憶」の段階をまたいでいることが分かるため

(両者の順番は異なるが処理の内容は同様)

 

\begin{array}{lcl} 記憶前段階の分かる && 知覚情報を記憶可能情報へ \\ \\ 記憶後段階の分かる && 記憶可能情報を理解情報へ \end{array}

 

「記憶の後の段階」なのが事実であるように

「記憶の前の段階」に来るのも事実になります。

(理解情報は「ほぼ確実に記憶可能な情報」のこと)

 

 

 

 

 

分かり易い

 

これについては

 

\begin{array}{lcl} 記憶し易い情報 && 手,水,... \\ \\ 記憶し辛い情報 && 籤,\mathrm{hnhauwpnu},... \end{array}

 

具体的な事例を見れば

 

\begin{array}{ccl} 手 &\to& 関係する記憶が多い \\ \\ \mathrm{btauapiueh} &\to& 関係する記憶がほぼ無い \end{array}

 

普通に納得できると思います。

(人は自身の記憶に関係する情報を覚えやすい)

 

 

実感のまま

 

\begin{array}{ccc} 分かる情報 & \left\{ \begin{array}{lcl} 五感情報で説明できる \\ \\ 理解情報で説明できる \end{array} \right. \end{array}

 

「分かり易い情報」というのが

「記憶し易い情報」です。

 

 

 

 

 

記憶の関係と分かり辛さ

 

「記憶し易い情報」が

「分かり易い情報」であるという事実を使うと

 

\begin{array}{lcl} 分からない情報 & \left\{ \begin{array}{lcl} 五感情報で説明し辛い \\ \\ 理解情報で説明し辛い \end{array} \right. \end{array}

 

「記憶し辛い情報」を記憶する方法として

 

\begin{array}{ccc} 分かりやすくする情報 & \left\{ \begin{array}{l} 全体の感覚を説明する情報 \\ \\ 実際に使われる情報 \\ \\ 良い感じに分解された情報 \end{array} \right. \end{array}

 

「記憶し易い情報との関係」を増やす

 

\begin{array}{cl} マイナーな料理 & \left\{ \begin{array}{ll} 調味料や材料 \\ \\ 基本五味の程度 \\ \\ 詳しい触感 \\ \\ 匂いの感じ \end{array} \right. \\ \\ \\ 数学 & \left\{ \begin{array}{l} 正しさを追求する \\ \\ 高精度の未来予測で使う \\ \\ 使う言語は論理学から \\ \\ 0,1,2,3,... みたいな自然数が主役 \end{array} \right. \end{array}

 

そんな手段を導くことができます。

(記憶力が良い人はこれを無意識にやっている)

 

 

 

 

 

分かりたい

 

「記憶」の原理プロセスにおいて

 

\begin{array}{lcl} 知覚段階 && 感覚器官が勝手に情報を入力 \\ \\ 直感的分かる段階 && 知覚情報の無意識評価 \\ \\ 意識段階 && 分かる情報を優先して認識 \\ \\ \\ 無意識記憶段階 && 優先認識する情報を優先記憶 \\ \\ 意識記憶段階 && 思い出せる情報を記憶として認識 \\ \\ 確認的分かる段階 && 記憶の意識的な評価 \end{array}

 

↑ では「知覚」の段階から扱ってきましたが

(記憶初期段階と無意識の範囲は ↑ で説明できる)

 

 

「知覚」の段階を経た『後』では

(初期段階ではそもそも「言語」が存在しない)

 

\begin{array}{lcl} 無意識欲求段階 && 特定の情報への関心 \\ \\ 意識段階 && 知りたい情報を優先して認識 \\ \\ \\ 無意識記憶段階 && 優先認識情報を記憶可能情報へ \\ \\ 意識記憶段階 && 思い出せる情報を記憶として認識 \end{array}

 

「これを知りたい」というような

(言語が無ければ「知りたい」を認識できない)

 

\begin{array}{rcl} 無意識的知的欲求 &\to& \left\{ \begin{array}{l} 基礎記憶に関係 \\ \\ 無意識の疑問に由来する \\ \\ 偶発的な分かる情報の発見 \end{array} \right. \\ \\ \\ 意識的知的欲求 &\to& \left\{ \begin{array}{l} 自覚的な欲に由来する \\ \\ 既知記憶から生じた疑問に由来する \\ \\ 意識的な情報への関心 \end{array} \right. \end{array}

 

「欲求」による記憶プロセスも考えることができます。

(この段階から「思考」の操作に該当してくる)