解析学 Analysis


|| あなりしす

見たまま、いろいろ「解析」するための学問です。

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主に『極限』『数え上げ』『測度』がメインになります。

その応用、集大成として『確率』『統計』がくる感じですね。

実用的っていうと、多くの人はこれを連想します。







各分野


極限「どこまでも近付けていく」

   収束「そこに集まっていく感じ」

   連続「間になにか必ずある感じ」


組合せ数学「要は数え上げに関するあれこれ」

   数え上げ「順列とか組合せとか使うやつ」

      順列「順番に並べるとき、並べ方は何通りか」

      組合せ「選ぶとき、選び方は何通りか」


測度論「測ることに関していろいろ」

   測度「長さとか面積とか体積とかのこと」

   完全加法族「測度を矛盾なく導ける枠組み」



微分積分学「極限と測度論の上でやるやつ」

   微分「主に点の傾きを正確に測る感じ」

   積分「全部の面積を求めてやるぜって感じのやつ」



級数解析「意味不明なやつをなんとか整理する感じ」

   テイラー級数「微分を使って多項式で表す感じ」

      マクローリン展開「テイラー展開したやつの定数に 0 を」

   フーリエ級数「波を重ねて整理する感じ」



確率論「もっともらしい感じの指標を」

   標本空間「起こり得ること全体のこと」

   事象「起こり得ること」

   確率「起きる割合を表した感じ」

      コルモゴロフの公理「確率の存在を公理化したもの」


統計学「科学の基礎付け的なもの」

   母数「確率分布の特徴を表す数値のこと」

      期待値「いわゆるその分布の真ん中っぽい感じの数」

      分散「真ん中辺りからのサンプルのばらけ具合を表す数」


   統計学の基礎付け「確率変数の収束から、大数の法則が」

      マルコフの不等式「期待値と定数で確率の最大値が」

      チェビシェフの不等式「標準偏差の定数で確率の最大が」

      大数の法則「サンプル数が増やすと精度が上がる」


   不偏性「偏りが無いってことを示す指標」

   一致性「真の値に近いだろうっていうことを示す指標」


   抽出「不偏性と一致性を高めるサンプリングのやり方」

   推定量「正しいんじゃないの?っていう値」








『数理論理学』が『哲学』に近い感じとするなら、

『解析学』はもっとも『科学』に近い分野と言えます。




『確率論』なんかは、それこそかなり実践的なものです。

挙げた成果は数える方が難しいでしょうし。

なにより日常的に便利に扱うことができます。




『統計学』も、その成果は凄まじいの一言でしょう。

現代の「科学」でこれを扱わないものはほとんど無いと思います。



それに、これは割と日常でも実践的に扱えます。

バイアス(偏り)を生むリスクもありますが、

人が『傾向』を感じるとき、無意識にこれを使ってますからね。






そんなこれらの基礎は、『極限』です。

これを厳密に定義していく中で「解析学」は発展していきました。




というのも独立してる『組合せ数学』と『測度論』は別として、

「確率論」を除けば、この『極限』なしでは厳密に語れません。

定義の根幹は、全てこの『極限』に由来しています。




『確率論』の基礎付けについては、

『組合せ数学』と『測度論』由来です。

「事象のカウント」と「測度を導けること」が根幹になるので。






まあ、ざっと説明するとこんな感じですね。

抽象的なんで、ふーん?って感じでしょうから、

さっそく内訳を見ていきましょう。




といっても、詳しくやると長くなりすぎるのでざっくりと。

詳細は別の記事を用意してますので、そこから。







極限 Limit


|| 限度の極み

延々と『近付ける』操作のこと。

「解析学」の基盤の一つです。



『極限値 L 』なら、

関数バリエーションだと『極限』の形式は↓みたいな感じ。


\displaystyle \lim_{x \to c}{f(x)}=L




厳密な定義は「ε-δ論法」で。


∀ε>0\,\textcolor{skyblue}{∃δ>0}

[\,∀x∈R\,[\,(\textcolor{skyblue}{|x-c|<δ})⇒(\textcolor{pink}{|f(x)-L|<ε})\,]\,]


詳細は別の記事『極限』で。







組合せ数学 Combinatorics


|| 人間のためにある数への探求

ここでの主なトピックは「数え上げ」。

いわば『数学の出発点』を拡張したものがこれ。



主に「有限」がこれの主軸です。

集合の中にある『要素の数を数える』ことがメイン。






順列の形式は↓


\displaystyle P(n,r)\,\,\,{}_nP_r:=\frac{n!}{(n-r)!}




組合せの形式は↓


\displaystyle C(n,r)\,\,\,{}_nC_r:=\frac{n!}{(n-r)!r!}




詳細は『組合せ数学』に。







測度論 Measure Theory


|| 測るってなに?

メイントピックは『面積』っぽいもの。



この面積と本質的に同じものを、

まとめて「測度」と表してます。






測度『 μ(S) 』の定義は↓



・初期値について


μ(∅)=0




・性質について


A_1,A_2,A_3,… が、全部互いに共通部分を持たないとき

\displaystyle μ\left(\bigcup_{i} A_i\right)=\sum_{i} μ(A_i)




詳しくは『測度論』の記事で。







微分積分学 Calculus


|| 極限を使う計算処理の土台

要は『計算のやり方』の一種です。

現代じゃ知ってれば良いレベルのものになります。



複雑な計算処理が機械で済む現代では、

この理屈は、その定義を押さえていれば十分です。



式の意味を理解できるレベルにあるなら、

それだけで困ることはないでしょう。






微分の定義は↓


\displaystyle f'(x):=\lim_{h \to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{(x+h)-x}




積分の定義の一つは↓


\displaystyle n=\frac{b-a}{h}


\displaystyle \int_{a}^{b}f(x)\,dx:=\lim_{h \to 0}\sum_{i=1}^{\frac{b-a}{h}}f(x+ih)\left((x+ih)-(x+(i-1)h)\right)




詳しい話は『微分積分学』にて。







級数解析 Series


|| なんか難しそうな

これは『複雑な関数を分かりやすくする』ためのもの。



知りたい部分(だいたい 0 辺り)を切り取って、

単純なもの(項とか)の「有限の集まり」として表します。






テイラー級数の形式は↓


\displaystyle\sum_{n=0}^{\infty}\frac{f^{(n)}(c)}{n!}(x-c)^n




フーリエ級数の形式は↓


\displaystyle \frac{a_0}{2}+\sum^{\infty}_{k=1}(a_k\,sin\,kx+b_k\,cos\,kx)




詳しくやるとけっこう長いので『級数解析』から。







確率論 Probability Theory


|| 人間が見出した最高の道具

一言で言えば『正しさの割合』のこと。



この数値の意味は、知っておかないと誤解を生みます。

よくある誤解を挙げると「何回の内何回くらい」とかですね。

これは合ってるようで、実は本質的に違います。




『確率』が表すのは、あくまで「正しさの割合」です。

「全体」の中に『どれくらい含まれているか』を示してます。

視覚的には、フィルターみたいなものです。






そんな『確率』のざっとした定義は↓です。



事象の全体 E の要素数を |E|

『確率』を求めたい事象 e の要素数を |e| とすると、


\displaystyle Pr(e)=\frac{|e|}{|E|}




詳細は『確率論』で。







統計学 Statistics


|| 人類史における最強の発明

感覚的には「単純化」のための分野です。

『めちゃくちゃ多いもの』を単純にします。



現代では、『因果・相関関係の発見』が主目的の分野。

これは「科学」の基礎の基礎にあたります。




始まりは「全体の把握」から。

例えば国家運営とかがそうです。

いわゆる『調整』のための「把握」から始まりました。






そんな「統計」のキーになる概念は『相関』です。

要約すると「片方が変化」すると「もう片方も影響を受ける」感じ。




『統計』では↑を数的に明らかにします。

なにかを調査するためにデータが必要なら、それを集計し、

調査したい対象と「比較」して『相関の有無』を見ます。




詳しくは『統計学』の記事にて。